2014年1月13日月曜日

写真をそのまま絵には出来ない。専門家の目は興味深い、という話。






写真は写真、絵は絵。

面白いことに、人の生き方にあわせた世界の切り取り方が、何万通りもある


というお話です。




最近日本画をはじめた、という方と話をしながら気付いたことです。

新しい作品を描くとき題材と構図を選ぶために
材料を集める目的で、山や林に取材へいくのだそうです。

「写真集やインターネットから画像を持ってきても絵は描けるけど、
必ず一回は自分の足で現地を歩いて写真を撮ってテーマを決めましょう」
というのが日本画の先生の教えだそう。


そうして山なり川なり林なりを歩くと、いいなと思う風景に出会って
それを写真に収めていく。現像して百枚も出来上がったのを見て、
この写真はいいな、この風景はいいなと思って、先生のところに持っていくそうです。


ところが先生によると、
撮った本人が良い写真だと思ったものでも「これは絵にならない」
本人がのっぺりとして面白みが無いなと思った写真を「ここを拡大したら絵になる」と。





知って少し考えれば当たり前だと思いますが、
写真として良い画面は、そのまま絵として良いものにはならないのです。

写真には写真の特性があって、絵には絵の特性があって、
それを踏まえて題材や構図を選ぶ「写真家の目」「画家の目」というのがあるのですね。

同じ音楽でも「ジャズプレイヤーの耳」や「クラシック演奏家の耳」がある、
というのとおんなじですね。




しかも、
それは専門領域だけに限った話ではなくて、
あらゆる物事の受け取り方とか人生の歩み方にも、
本人の専門性は滲み出てくるものですよね。
面白おかしく「職業病」と簡単に言い表されることがありますが、
生き方が何万通りもあれば、事象の捉え方も何万通りもあるのです。




自分の年齢が24になった最近では、
昔の同級生がさまざまな場所で職に就いたり、勉強を続けたり、家庭をもったりするようになりました。
そうすると、学生時代では思いもよらなかった話を、同窓会や飲み会で聞くことが出来るようになります。

銀行員は銀行員の目で物事を語り、音楽家は音楽家の目で、主婦は主婦の目で、
それぞれに特徴を持った視点で話をします。
本人がそれを意識しているかどうかはわかりませんが。

そういった時に、自分では思いもよらなかった切り口や視点で
世間のニュースを解釈した話を、ぽろっと聞けることがあります。
その瞬間が、僕は、本当に楽しく貴重だなと感じるのです。




僕らがそれぞれの人生を生きていく限り
写真家には写真家の、画家には画家の
その人生に合わせた世界の切り取り方があるんですね。






☆出演情報

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Cloud of Arts 主催

廣橋英枝&山野靖博 デュオリサイタル





日時 2014年2月23日(日)   
   14:00開演 (13:30開場 15:50終演予定)

会場 山梨県立図書館2階 多目的ホール(全162席)
チケット 全席自由3000円
出演 廣橋英枝(ソプラノ)

   山野靖博(バス)

   林正浩(ピアノ)
お問い合わせ 08050946204(山野)

       y.unyou.y@gmail.com(山野)
チケットお取り扱い
     岡島友の会、山交友の会、内藤楽器丸の内店、コラニー文化ホール


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