2014年1月18日土曜日

演技について、今は自分の思うことよりも別のことに神経を使ってみようと思う、という話








オペラをやるとなると、自分の声の種類(女性の高い声からソプラノ・メゾソプラノ・アルト、
男性はカウンターテナー・テノール・バリトン・バス)によって役柄が振り分けられます。
僕は男性の一番低い声であるバスを担当します。
声の種類のことを「声種(せいしゅ)」と呼びますが、
役のキャラクターはこの声種の違いによってなんとなく傾向があります。

ソプラノなら娘役。しかも美女のヒロインが多い。
テノールなら王子様や美男子。ヒーローといった具合。

僕の声種であるバスはというと…

威厳のある役(王様、宗教裁判長、老いた貴族、聖人) 
人間じゃない役(天の声、地獄からの声、石像、悪魔) 
喜劇的な役(情けない従者、好色な老商人)

あたりが大体の傾向と考えていただいて問題ないです。


で、僕はそんなキャラクターにチャレンジしていくのですが、
どうしても「僕自身の見た目」と「僕自身の性格」が、
キャラクターの性格をお客様に伝える邪魔をすることがあります。



僕は極度の痩せ体型です。体型分類によると問答無用の「痩せすぎ」。
加えて、理屈っぽい性格です。良く人に考えすぎだと指摘されます。

そんな僕が普通にしていると、外からはこんな風に見えるようです。

  • 気難しそう
  • 悪巧みしてそう
  • 狡猾そう
  • 情けない感じがする
  • 小者っぽい
大体こんな感じ。

でも、これは非常に困ったことなのであります。
なぜかといえば、「好色だけどどこか憎めない老商人」の役を演じてる“つもり”なのに
「意地悪で悪巧みをしてる神経質な老人」に見えてしまったら、
物語がその物語として成り立たなくなってしまうのですから!困った!



ということで、「自分としてはこの役にどうアプローチしようか」を考えるとともに
「“僕の演じるその役”は外からどういう風に見えるのか」の事実をちゃんと受け止めて
オペラの登場人物になるということに取り組んでいかねばなりませんね。

「僕がこう思ったのだからこれでいいじゃん!!!!」とか、
心の何処かで思ってたりしたこともありましたけど、もう、そういうレベルの話じゃないんですね。
山野靖博がロバート・デ・ニーロに匹敵するほどの実力者だったら話は別になるかもしれませんが、
今の僕はまだ「ロバとエビ芋」ぐらい実力不足なので、
たくさんたくさーん自分の中で準備をしていっても、現場に行ったら
僕への指摘に対して瞬時に反応して、準備してきたものをすべて捨てられるぐらいの
柔軟さをたいせつにしてみたいと思います。






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