2014年1月3日金曜日

正月番組で気付いた「クラシックがイメージを手に入れたら無敵じゃん」という発見、の話






大晦日は「KYOKUGEN2013」という番組をみていました。
横目でTwitterを眺めて他の番組の中継を追っていた感じです。

同時的な中継でも終了後の振り返りポストでも多くみられたのが
紅白歌合戦への言及でした。
綾瀬はるかがぶっ飛んでて嵐がいい仕事してるとか、
TMさんが上手すぎてヤバいとか、
花は咲くが泣けるとか、
あまちゃんが紅白で完結したーーーーーー!!!!!とか。

その中で気になったのが
「口パク歌手が多い〜」「生だと歌下手だなー」という
クラシック音楽関係者による指摘
気持ちはわかるんですけど、僕的には「別にいいじゃん」と思うんですよね。
むしろ有り難いぐらい。






音楽に求められているのは上手さではなく“カッコいい”というイメージ

ただ、音楽の形が変わってきただけのこと。
市場がミュージシャンに求める価値が変化してきた、ということです。

たとえば、Perfumeが本当に歌ってパフォーマンスをしたとして、
事前録音に合わせてパフォーマンスするよりも高い質のアウトプットができるかといえば、否でしょう
きゃりーぱみゅぱみゅも同じ。
打ち込み系で計算された楽曲と、計算されたファッションデザインや振り付けに相応しいのは
不純物の取り除かれた歌声であるというのは当然の帰結ではないですか?
それを考察なくけしからん、というのは、世間で評価されている現象を受け入れない、ということです。


口パクでも許されるアーティストというのは、歌唱能力以外のイメージが価値なのです。
雰囲気、というか、気分、というか、そういうのが価値なんです。
流れている歌にもピッチ修正諸々かかってるなんていうのは、周知の沙汰で
それでも「かわいい」「かっこいい」からファンがついて新しい文化として成り立っている。
それが「音楽」というフォーマットの上で繰り広げられている現象です。
「音楽」の名の下で語るとすれば、そして、人に愛されてこそ文化という視点から考えれば、
口パクアーティストとクラシック音楽、どちらが繁栄していると言えるのでしょうか。


現在の商業音楽シーンで求められているのは、イメージです。
ポップでキャッチーでクールでキュートなイメージです。
歌は、音楽は、それを表現するためのひとつの材料でしかありません。
この事実、冷静に注視したいと思いますよ。







クラシック演奏家がイメージを取り入れたら問答無用で無敵になれる


クラシックの演奏家が誇る資質は以下。
・技術 
・歴史に裏付けられた表現の厚み、幅 
・蓄積された人類共通の名曲

特に、技術に関してはかなり特別な価値があります。


コンピュータ制御で作られた“上手さ”を凌駕する力を持っているのは、
間違いなく“生の上手さ”です。

イメージがあって、歌が上手い、演奏が上手いパフォーマーは
現代でも評価される傾向にあります。
ただ上手いだけ」だと評価されないだけです。
TMレボリューションさんが代表格じゃないでしょうか。
あとドリカムの吉田美和さんとかね。


僕らも、イメージを身につけたらいいんですよ。
僕らの業界全体が、クールでキュートなイメージを身につけたらいいんですよ。
そしたら無敵じゃないですか。

カッコよくて、可愛くて、めちゃめちゃ上手い、しかも生。

これに太刀打ちできる価値はないでしょう。どう考えても。



だから、生の歌番組で口パクのアーティストが増えたり
歌がうまくない歌手が見られたりする現象というのは、
僕たちのやっていることの追い風になると思って歓迎した方がいいことで
決して叩いたり悲観したりするべきものではないです。はっきり言って。

コンピュータ制御のパフォーマンスが増え、下手な歌が一般化されるについれて、
僕たちの上手さが際立つんですから。なんて有り難いことでしょう。





突き落とされた海でどう泳ぐのかを考えたもの勝ち

要は、現代に産み落とされた時点で、その場所で勝負する方法を考えなければいけないんですよ。
実にシンプルなことです。

最近の日本のポップスはつまんないわー、とか言ってる暇があったら、
そのつまんないポップスが何故人々の注目を集めているのかを考えて、
それに打ち勝つために僕らのリソースで何ができるのかを見極めなきゃならない。

現代という海に突き落とされたなら、その海に文句言ってる場合じゃないんです。
どうやってその大海原を泳ぎきって新しい島にたどり着くかが勝負です。



ウィーンフィルのニューイヤーとか、東急ジルベスターとか見て
スゴいなーと勉強するのも大事ですけど、
日本の世相がモロ読み取れる正月の番組編成から、
ぜひとも僕たちのやるべきことを見つけだしていただきたいなと思います。

1月1日放送のNHK「ニッポンのジレンマ」は相当面白かったので、
見逃した方はオンデマンドで見てください。








☆出演情報

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Cloud of Arts 主催

廣橋英枝&山野靖博 デュオリサイタル




日時 2014年2月23日(日)   
   14:00開演 (13:30開場 15:50終演予定)

会場 山梨県立図書館2階 多目的ホール(全162席)
チケット 全席自由3000円
出演 廣橋英枝(ソプラノ)

   山野靖博(バス)

   林正浩(ピアノ)
お問い合わせ 08050946204(山野)

       y.unyou.y@gmail.com(山野)
チケットお取り扱い
     岡島友の会、山交友の会、内藤楽器丸の内店、コラニー文化ホール


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