2015年6月16日火曜日

「ザ・ゴール」を読んでるんだけどこれはどの分野にも応用できそう、という話。




先週から読んでるこの本が面白いです。



業績の芳しくない製造工場が、
3ヶ月で結果を出さないと閉鎖という勧告を受けるところから物語がスタートします。
主人公の所長さんが、大学時代の物理学の教授のアドヴァイスを受けながら
工場の仲間と一致団結し、工場の再建に乗り出すというストーリー。

そう書くと、なんだ、熱血系の小説かーと思われるかもしれませんが
これ小説の形をとりながら、企業の究極の目的である「お金を儲ける」には
どのような手段と考え方を用いたらいいのかを順序立てて教えてくれます。



お金を儲けるといったって、何か汚い手段を使うわけではありません。
常識を疑い、効率第一主義の盲目信仰を捨て、コストの概念を組み替えなおし、
生産プロセスの中のボトルネックに注目し、スループットを増やすことに注力する。

この本の定義では、スループットとは「販売を通じてお金を作り出す割合」のことです。



こういう考え方は「制約条件の理論」というらしいです。
僕は初めて知りました。英語だとTheory of constraints または TOC 。
で、これはあくまでも管理哲学であって、
なにかのシステムを管理するときに、TOCの考え方で読み解いていくと、
目的の達成率が最大化しますよー、ということのようです。
それを企業経営に当てはめると、お金の儲かる量が継続的に最大化していきます
という話ですね。



この本を読んでて僕が重要だなと感じたのは
「ボトルネックを特定する」というところ。

たとえば水の入った瓶があったとして、どれだけ大きな瓶だとしても
ボトルネック、つまり瓶のくびれた部分が細ければ、外に出てくる水は少ないという例から、
あるシステムのスループットはボトルネックの生産性に制約を受けるのです。



この本の例だと製造業の工場ですけど、
きっと演奏業の僕にとっても、仕入れをし(=曲を勉強する)、加工をし(=練習)、
組み立て(=本番に乗せられるくらいブラッシュアップする or 稽古する)、
出荷・販売する(=本番に乗せる、チケットを売る、ギャランティをもらう)というシステムは
ほぼほぼ一緒だと思うので、どこかで参考になる気がします。



僕にとってもスループットはお金を頂戴することなので、
僕がいま生活をするために稼いでいるお金は、僕の日々の生産活動のなかにある
ボトルネックのアウトプットの量に依存しているということですよね。

なんだろうな。練習できる時間かな。勉強している時間かな。
練習できる時間がボトルネックならば、それは体力に依存しているだろうし、
勉強している時間がボトルネックならば、それは集中力に依存しています。

スループットの総量は、ボトルネックの生産性に制約を受けるのですから、
勉強時間・練習時間を増やすためには、体力と集中力をつけていくことが重要なのかもしれません。


また、アイドルタイムはかならずしも効率化する必要はないということも
本のなかでは指摘されています。
従業員が何もやることのない時間は、その時間が発生する原因によっては、
かならずしも悪ではない、ということです。
非ボトルネックは、ボトルネックの生産能力以上に稼働させてはいけないからです。
自分の体の燃焼速度以上に食べ物を食べていったら、ブクブクに太ってしまうか、
さまざまな疾患を引き起こしたり、最悪の場合お腹が破裂してしまいます。



ちょっとまたいろいろ考えてみたいと思います。




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