2015年6月17日水曜日

山梨のクラシック音楽市場を4分割してみたら見えてきたこと、という話。






今年の頭ぐらいに、ふとこんなマトリクスが頭に浮かびました。


僕は自分の地元である山梨が好きで、大学生時代から山梨で演奏会を企画したりしてました。
いまも引き続き、東京で勉強や活動をしながらも、山梨でいろんな企画を打っています。
今年は隔月でなにかしらのコンサートを企画しようと思って、
2月の音楽超詰〜歌謡曲〜から、4,5,6,8,10,12月と、それぞれカタチの違うコンサートを準備しています。


そのときに、どんな人にそのコンサートに来て欲しいのかというのを
やっぱり考えるわけですね。
自分のやりたいことだけ考えてやってもいいんですけど、
演奏家っていうのはお客様に演奏を聴いていただいて初めて存在する職業なので、
どのような方に聞いて欲しいのか、どのような方に向けてこの演奏会をやるのか
みたいなことは僕なりに考えるようにしてます。
というか、自主企画をする演奏家だったらみんな考えていると思います。



そうすると、さまざまな観点からお客様(=市場)を想定していくわけですが、
若い人!とか、普段クラシックに興味がない人!とか、小さなお子さんがいるパパママ!とか挙げても、
じゃあそこに向けてどうやってプロモーションしていくのかって、
案外漠然としちゃったりするんです。

そこでもう一回、思いついたマトリクスですが。



指標を2つに限定し、それぞれX軸とY軸に振り分けてあります。
「山野のことを好き or 嫌い」と「クラシックが好き or 興味ない」です。
山野のこと好きとか自惚れかよキモっ、みたいなご感想お持ちかもしれませんが、
現状把握には便利だったのでこのまま話を進めます。


それぞれの指数に対する分布によって、市場は4分割されます。
つまり

A.山野が好き 且つ クラシック好き
B.山野が好き だが クラシックには興味ない
C.山野は嫌い だが クラシック好き
D.山野は嫌い だし クラシックにも興味ない


このうち、顕在化している市場はAとC。(クラシックが好きだと表明している)
潜在的な市場はBとDです。(クラシックには無関心だが好きになる余地がある)


ちなみに、これまでの話もここから下の話も、
「山梨で僕が活動する際」の話です。
東京とかだとまた話が違ってくるので別の考え方になります。



Aに分布するお客様は、すでに僕の大事な顧客となってくださっています。
演奏会のたびにご案内をお渡しすると、都合のつく限り足を運んでくださいます。
本当に感謝しております。
これからも皆様からの応援に見合うような演奏家になれるよう、
日々精進をしてまいりますのでどうぞ宜しくお願い致します。



Bに分布するお客様は、二つに分かれます。
僕のことをかってくれてるので「よくわかんねえや」と言いながらも
演奏会に遊びに来てくれる人。
演奏会には来てくれないけど、僕のやっていることは応援してくれたり注目してくれたり
あるいはその方の視点からたくさんの示唆に富んだアドヴァイスをくれる人。
どっちもありがたいです。ほんとに。
願わくば、この方たちが僕を通してクラシックを好きになってくれたら嬉しいなと思って、
レクチャー色の強いコンサートや、一度は耳にしたことのある曲を多く選曲したコンサートを企画します。



Cに分布するお客様には、僕から直接なにかをするということができません。
どんなに自分的に自信のあるプロダクションを組んだとしても、
叩かれるか過小評価されるか粗探しをされるのが関の山だからです。
ただ、間接的に影響を及ぼすことはできます。
ここに分布する方々はクラシックが好きなので、
願わくば山梨でもいまより頻繁に、質の高いクラシックコンサートが聴けたらいいな
と思っていらっしゃいます。
その状況を作るために、
山梨出身だったり山梨に住んでたりする演奏家同士のネットワークを
活性化させることによりそれぞれが自主企画を開催するハードルを下げることや、
行政・民間問わず僕ら若い演奏家よりも多くの力や財力、ノウハウを持っている方々にアプローチして
「山梨の音楽家はこんなに元気で優秀で意欲と熱意があります!!」みたいなことを
ちゃんと言い続けて、そういう方々からちゃんと応援いただけるような下地を作ることなど、
いろんなことができるんじゃないかなと考えています。
なので、このCの市場に対してできることは、直接的に僕のコンサートをプロモートすることではないのです。



Dについてはもうお手上げです。けれど、一番可能性があるのがこの市場です。
というか、山梨県の人口のうち、おそらく80%はこのマーケットに属します。
山野が嫌いもなにも、山野の存在を知らないという可能性があります。
クラシックに興味がないもなにも、数分でも腰を据えて意識的にクラシックを聴いたことがないという可能性があります。
この市場にアプローチするには、2つ方法があります。

  1. 山梨の音楽業界が活性化してクラシックが恒常的に日常生活に組み込まれること
  2. 山野がめちゃめちゃ有名になって存在を知ってもらうこと

うーん、どっちも目指せたらいいな。がんばります。






DやBの市場に対して、マニアックな選曲のコンサートを告知しても意味ないですし、
Cの市場に対して、「山野靖博がお送りする〜」みたいなプロモーションをしても逆効果です。

どんな人が聴いてくださるのかを考えることは、
自分の持っている力を最大限に活用することにもつながる、大事な視点だと思います。




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