自分の備忘録的に、今回は書いてみます。
先日久々に、伴奏の先生に稽古をつけていただきました。
オペラの世界には“コレペティートル”という職業があります。
コレペティートルは、オーケストラや舞台装置を含めた全体の稽古の前に、
個別の歌手ないし何人かの歌手に対してピアノの伴奏で稽古をつけます。
その時間の中で歌手は音楽に慣れたり自分の課題を見つけ、
それをクリアして次の大きな稽古のステップへと進んでいきます。
また、コレペティートルは歌手に対して、さまざまな助言をします。
譜読み(楽譜にある音符や歌詞を歌えるようにすること)や
暗譜(楽譜に書いていることを覚えて歌えるようにすること)の補助、
発音の矯正や楽曲の背景についての理解を深めることを助けたり、
あるいは楽譜には書かれていない演奏上の慣習や伝統を伝えたりします。
本当にすごい職業です。
歌手よりもオペラを理解し、歌手よりも歌を理解し、歌手よりも歌手を理解している、
そんなスーパーマンがコレペティートルです。ほんとすげぇ。
普段僕は、自分ひとりで練習をしています。
レッスンに通う回数も多くありません。
本来ならば毎週でもレッスンに通いたいのですが…。
ひとりで練習をしていると、徐々にわかってくることと、
反対に「わからなくなっていくこと」があるのだなと、
先日のコレペティ稽古(コレペティートルによる稽古、をそう略したりします)では気付かされました。
まず、僕は曲や役に対する解釈がどんどん内向的になってしまう傾向にある、ということ。
自分の頭の中で色んな映像や解釈がぐるぐるまわるのですが、それはつまり
自分ではない共演者との関わりを捨てた視点で考えているということです。
それは、実際に生の舞台になったときに通用しないよ、という指摘。
つぎに、楽曲に向き合う姿勢が内向的だから、声も内向的になりすぎるよ、ということ。
ハツラツとしたエネルギーで歌わないとお客さんも面白くないでしょ。
特に今回は喜劇なんだから、陰鬱な声だとキャラクターがぶれちゃうよ、という指摘。
そして、譜読みが足りない、頭で理解したことを肉体の反応になるまで身体に染込ませよう、ということ。
頭で考えたことを頭でコントロールして表に出しても、それは良くない。
歌は生身の身体を通して奏でられるのだから、身体自体が感情を感じてないと歌として勿体ない。
ドラマのエネルギーを感じない声になっちゃうのは勿体ないよ、という指摘。
自分では気をつけている“つもり”でも、信頼する第三者に指摘されてはじめて
トライの仕方が100%有効なものではなかったと気付かされます。
そういう外部からの指摘の機会をたくさん持っていることは
スムーズに勉強を続けていくことに於いて重要な要素だなと今回感じました。
その機会を増やせるようにと、少しでも心がけていくことも
自分の目標として新たに意識の中に組み込んでいこうと思います。
どちらかというと僕は頭でっかちになりがちで、だからこんな風にいろいろ書くのかもしれません。
でもね、本人の心に赤裸々な文章って、確かにあるような気がするんですよ。
最近で言うと、出所してからこっちの堀江さんの書籍とかそんなかんじ。
このブログの僕の文章の感じが、もっともっと胸にあるドアが開いたようになったら、
お、山野すこし変わったじゃん、と思ってくださいね。
☆そんな僕の試行錯誤の結果を目撃したい方はこの公演にぜひ!
盲導犬育成チャリティコンサート
第170回よくばり音楽館
第28回 オペラ大好き
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日時 2014年2月15日(土) 14時開演(13時半 開場)
会場 高輪区民センターホール
(地下鉄 南北線都営三田線「白金高輪駅」1番出口正面)
チケット 全席自由2000円
曲目 「ドンパスクァーレ」「カプレッティ家とモンテッキ家」
「ウィンザーの陽気な女房たち」「ナクソス島のアリアドネ」
「フィガロの結婚」「真珠採り」「エルナーニ」より
出演 ソプラノ
大山亜紀子
金見美佳
菊池貴子
東中千佳
村山舞
元井千尋
メゾ・ソプラノ
磯地美樹
見崎千夏
渡邉智美
テノール
土崎譲
濱松孝行
坂下良太
新堂由暁
バス&バリトン
佐野正一
福山出
海下智昭
山野靖博
指揮 小崎雅弘
ピアノ 高木由雅
演出アドヴァイザー 澤田康子
チケット問い合せ
電話 090-5094-6204(山野)
Eメール y.unyou.y@gmail.com(山野)
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