2013年8月23日金曜日

8/23 Cloud of Arts流 演奏会運営の仕方


コンサートの運営方法とか形式って本当にいろんな種類、
千差万別の形態があると思います。
それでもそのなかで、ざっくり2つに分けられるような気がします。


・演奏家による自主企画
・事務職員のいる企画


ええと、本当は「自主企画」と「商業企画」とか
「自主企画」と「大きな団体による企画」とか、
いろいろ考えたんですけれど、どれもしっくりこなくて、
なので上のような分類にしました。

現状の日本のクラシック音楽シーンを考えると、
上のふたつが明確に分かれるポイントはないとは思うのですけれど、

「NHK交響楽団や新国立劇場の運営する演奏会」などを代表とする
舞台裏のスタッフが(比較的)多種多様に存在している公演



アマチュアやセミプロ、学生の団体や個人に多い、
演奏者がスタッフや事務作業もやりますという公演

を対極の点に、
グラデーションのような形でいろんな運営形態が存在しているように思います。


どちらが優れているとかいう問題ではないのですが、
“強いていうならば”演奏者とスタッフが分離できている企画のほうが
“比較的”スムーズに運営されることが多いように、僕の私見では思います。

演奏家以外のスタッフを雇えるという時点で、予算的に恵まれているのでしょうし、
演奏の専門は演奏家であるように、運営の専門家であるスタッフの方々に、
企画の初動段階から宣伝広告、当日のレセプション運営や舞台裏のサポートを
お願いできた方が、より隅々まで気配りの行き届いたコンサートになるのは、
まあ、当然のことかと思います。餅は餅屋ですね。


コンサートみたいな「お祭り的」イベントを運営するなら、
やはり裏方さんのお力添えをいただくのが一番なんですよね。
演奏者の立場から「裏方さん」と呼ぶのが忍びないくらい、
稽古場の確保からアンケートの集計まで、大小様々な仕事をこなしてくれるプロが一緒だと
演奏者が演奏に集中できる度合いも増えますし。
ただ現実問題として、自分のコンサートを開くときに

・ツテがいない
・予算がない(ギャラが払えない)

といった、その他さまざまな理由で、演奏家がスタッフ業務も兼任する企画が
どうしても増えていってしまうようです。(僕の身の回りを見回した感想ですが・・・)




そんなことは大学生活の途中ぐらいから結構考えていました。
どうにかして、演奏家の自主企画演奏会が、スムーズに運営されるようにはできないかなぁと。

で、そんなときに友人たちと寄り集まって、


それぞれの活動をサポートしあって、
それぞれの人脈なんかも紹介しあって、
一緒にコンサートやイベントを企画したり、
あるいは困ってる友達に手助けできるような
人材のストックがあったらいいよねー


みたいな話をしました。

で、つくってみたのが


Cloud of Arts


という集まり。

アートのクラウド

っていう感じで命名しました。

それからたぶん1年半ぐらい経っているのですけど、
演奏会運営のノウハウとか、ちょっとずつ蓄積してきたころだと思われます。


なので、折角だから
興味がおありの方がいたらその方向けに、

僕たちはこんな感じでコンサート運営してますよ

というのを、簡単にですが紹介してしまおうかなと思います。






Cloud of Arts(以下CoA)は、演奏家や楽理出身の運営系の人材、
カメラマン兼デザイナー、ピアニスト、ハイパーメディアコーディネーターといった
いろんなことをやるいろんな人種がいろいろ集まっています。

現在では主に、演奏家が「こんな企画やりたいんだけど」といったアイディアを
それぞれがサポートしあいながら具現化する、という方法をとっています。
だから、ある企画では演奏家が100%スタッフにまわったりということも起きます。


僕たちは、事務所を持っていません。
だから、演奏会を遂行していくにあたって必要な会議や決めごとの連絡なんかは、
インターネットサービスを使ってやり取りしています。

とはいっても、それほど難解な話ではなくて、

・メール
・Skype
・BaseCamp

が主な利用サービスです。
それ以外に

・ChatWork

や、活動初期には

・ Facebookのグループ

なんかも活用していました。


事務連絡や、個人間のコミュニケーションには「メール」を。
井戸端会議的な空間、同じ時間を共有しながらのコミュニケーションには「Skype」を。

そして、最も重要な決定事項のログややるべき仕事の明文化と割り振りには

BaseCamp(ベースキャンプ)https://basecamp.com/


というサービスを利用しています。
このプロジェクト管理サービスの利用を進めてくれたのは、
CoAの一員で、ハイパーメディアコーディネーターの阿部雄一さんです。


このサービスを利用することで、僕たちのプロジェクト管理は
円滑に進むことが多くなりました。


どんな使い方をするのか、それがコンサート運営にどんなメリットを与えるのか、
ちょっと紹介してみますね。






これが、僕たち CoA のBaseCamp ページのトップです。
トップ画面には表題と四角に囲まれたテーブルとともに
そのとき進行しているプロジェクトが一覧になっています。
上の画像はスクリーンショットなので、この下にもまだプロジェクトが並んでるのです。
数えてみると、22個の企画が進行中でした。


プロジェクトの中からひとつ選択してみます。
上のスクリーンショットには映ってないものですが。
それぞれのプロジェクト管理が、どんな方法でされているのかご紹介します。

これ、実はまだ正式にお知らせをしていないコンサートの企画なんですが・・・笑





色付きの囲み枠は僕が手を加えた物です。

青が、プロジェクトの名称
オレンジが、どんな更新がされたか
ピンクが、ディスカッションをしたメンバーを時列で表示
赤が、イベントの日付や ToDoの〆切

となっています。
つまり、どんな話し合いが行われたのかが
プロジェクトページの上層部にまとめられているわけです。


その下にスクロールすると・・・



そのプロジェクト(廣橋英枝&山野靖博デュオリサイタル)に関する
ToDoがリストアップされています。


なにを・だれが・いつまでに やらなければいけないのか


を一覧にして共有管理することができます。
このプロジェクトは正直言って、かなりざっくりした感じでリストを作ってありますが笑
もっと、緻密なリスト作成も可能です。使い方次第ですね。

完了したToDoは、左側のチェック
ボックスにチェックを入れると
アーカイブ化できます。


下にスクロールしますね。次に現れるのは・・・


ファイルとテキストドキュメントの項目です。

それぞれのプロジェクトページにはさまざまなファイルのアップロードが可能です。
なので、


・チラシやプログラム用の写真
・デザインの原稿
・オーケストラの配置表
・演奏会当日のタイムスケジュール


なんかを、ネットを介して共有することが可能です。
しかも、このファイルはインターネットサーバー上に保存されているため、
外出先のパソコンなどからでも、自分のプロジェクトページにログインさえすれば、
いつでもどこでも閲覧可能なのです。

テキストドキュメントも、サーバー上で保存されるので、

・いつでも
・どこでも
・だれでも

加筆・編集・訂正が可能です。

だから、プログラムの文字情報をここにまとめておいて、
プロジェクトに関わる全員が、同時的に校訂作業に関わることが可能です。


なお上に紹介した ToDo や ファイル、テキストドキュメントは、
それぞれについてディスカッションすることが可能です。


たとえば、僕のプロフィール写真に飛んでみると、
それについてコメントを入れたり、確認事項を書き込んだりできます。
緑で囲ったところがそうです。

いろいろなToDoの解決方法や仕事の振り分け、〆切の設定などを、
全員で共有しながら議論することが可能なのです。
しかも、その議論の内容が時系列を保ったままログになるので、
どんな話し合いがされたのかをあとから見返すのも容易です。



あと、プロジェクトが多くなってくると、
それぞれのプロジェクトでなにがどう更新されてるのかを
ひとつひとつたどっていくのが難しくなります。
その時に便利なのが「Progress」というページです。

すべてのプロジェクを通して、最近どんな更新があったのかを
タイムライン式にまとめてくれています。



本当はもっとこれ、下までずらーっと更新履歴がつづいているのですが。



いままでだったら、顔を突き合わせて話し合いをしたり、
郵送やメールのファイル添付でやりとりをしてきたことが、
BaseCamp を利用することによって、

いつでも、どこでも、だれでも
閲覧、議論、編集することが可能

なのです。

まあね、このサービスの使い方になれるのも最初は大変なんですけど、
そこを乗り越えてしまえばかなり便利なツールだと思います。






ざっと振り返ってみれば、CoAであつまって1年半で
15個くらいのコンサートを主催ないしサポートしてきました。
その中には一回で終わった物もあれば、シリーズ的に継続している物もありますし、
運営面で上手くいった物もあれば、失敗した物もあります。

でもそのなかで僕たちは、ネットでのプロジェクト管理の方法を試行錯誤し、
いまではそれなりのノウハウが蓄積されてきたように思います。

少なくとも、演奏会をやると決めた時点で必然的に生ずる、
最低限こなさなければいけないタスクは理解できるようになりました。

CoAの仲間たちは、日々CoAの活動だけに関わっている訳ではなくて、
それぞれが別の仕事をしたり、異なった演奏会に関わったりしています。
そういう状況の中で、直接顔を突き合わせたり、頻繁に電話会議をせずとも、
1年を通していくつかの演奏会やイベントを企画運営できているのは、
BaseCamp や Skype といったツールを最大限に利用しようとしてきたからです。


日本のクラシック音楽産業の先行きは、必ずしも順風満帆ではありません。
むしろ、戦前戦後的な運営形態の意識のままこれから先の時代を迎えたら、
市場は間違いなく縮小・消滅の一途をたどるでしょう。

演奏家の成功像は多様化していくでしょうし、
いままで以上に、芸術をプロデュースし、マネージメントし、
サポートしてくれる人材の存在が重要になってきます。

ただ、いまのクラシックの現状でいくと、スタッフの育成は
世間にいくつかある歴史ある企画事務所に就職することでしか実現されません。
そして、そういった事務所が運営する企画は多く「大きな企画」です。
自主企画で演奏会をやるプレイヤーをサポートするようなシステムは、
いまの日本のアートマネジメントの観点からは重要視されていないのです。
で、少なくとも行政に、そういった視点を持って下さいと「今のまま」いってみても
見向きもされないのは目に見えています。


・・・・という小難しい話は別の機会に書くとしますが、
今回の記事で紹介したような方法を用いて僕たち Cloud of Arts は、


・やる気はあるんだけど方法がわからない
・一度やってみたけど大変すぎて二度とやりたくない
・ひとりで演奏会をやるのは辛い


というような演奏家の方の負担を、少しでも軽減させられたらいいなと考えています。
僕たちが直接サポートに入ることも可能ですし、
上で紹介したようなツールの使い方を体感していただき、ノウハウを提供することも可能です。


もちろん、演奏家だけに限らず、プロデューサー志望の方や、
スタッフとして演奏会に関わってみたいという方も大歓迎です。


これから先の時代を生きるクラシック音楽関係者として、
時代にあった方法論を模索してみたい方。
気軽にお声かけください。



yy

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