2014年11月13日木曜日

不安が無くなったのはブレーキを踏むことをやめたから、という話








あらためて振り返りますが、先日の岩手巡業

初めての1日二回公演だ、初めての旅先でのコンサートだ、初めての岩手だと、
ワーワー言いましたが、つまるところ緊張していた一番の理由は、
共演の皆様が大御所の大先輩のプロフェッショナルな歌手の皆様だったということについきます。
凄い人たちの中に入って、僕のど下手具合がモロバレになっちゃったり、
先輩の歌手のみなさんに、「なんだこいつ下手じゃん」って思われるのが
すごーく嫌だったのです。だからその裏返しで緊張しまくっていました。


実際のところ、僕の歌の技術と先輩方のパフォーマンスの質ではもちろん雲泥の差で、
どうしたところで太刀打ちできない距離があったと自認しております。
これは僕の力不足ということでしっかりと受け止めました。
無い力を出し切ってささやかな自身を持って提示できる価値は、
若さ故のがむしゃらさぐらいのものでした。


稽古の段階で声を出すことが怖かったし、声を聴かれることが怖かったです。
歌い手失格な発想ですが、本当にそうでした。


そんな僕の様子、もちろん先輩方には手に取るようにわかっていたんでしょうね。
「舞台にのったら先生も生徒も関係なく平等よ」
「もっと先に先に歌っていった方がいいと思うよ」
そんなアドヴァイスから始まってたくさんの助言をいただきました。







世の中、正直自信の無いことだらけです。
今時点で、歌にも、自分の生活にも、スタイルにも、話し方にも、考え方にも
だいたい自信ありません。

これでどうかな、あってるかな、うまいこといくかなとうっすら予防線を張るながら
ここまで生きてきました。そんな僕です。

とはいえ、先日の岩手での四公演では、やり始める前から破綻しないための予防線を張ることを
試しにやめてみようと思えたのです。
これはもう頂いたアドヴァイスと、見守って下さっているようなカンパニーの雰囲気のお陰です。
甘えさせていただいた、ということです。ありがとうございました。

失敗しても良いや、破綻してもしょうがないや。
それよりもブレーキを踏まずにフルスロットルでアウトプットしてみる。
それでダメならダメ。次の本番の糧にしよう。
そんな気持ちで歌うことができたと思います。



そうしてみると不思議と、帰ってきてからこっち
なんとなくです。なんとなくですが、自分の声が変わったように思います。
あんなに不安定だった声が、すこし安定しました。自分のなかで居場所をみつけてくれたというか。
個人練習中もついてまわっていた声を出すことへの不安を、一切感じなくなりました。
これは僕にとって、大きな収穫であり、劇的な変化の瞬間です。
おそらくこれから先の歌手人生のなかでも、大きなターニングポイントのひとつとして記憶されていくことでしょう。





大学を卒業してから、手当り次第にいろんなことに手を出してきました。
節操がないというか、山野はなにがしたいんだと、注意力散漫さをとがめられることもありました。

この一週間だって、歌ったり、簡単なデザインしたり、ネットのことやったり、
ファッション関連イベントの司会やったり、演奏会の裏方やったり、
なんとも統一感の無い生活が続いています。

でもようやく、それでもいいんじゃないかなという手応えみたいなものを感じられるようになってきました。
まだまだ未熟だし、ぜんぜん生活はできていませんが、
それでもこうやってどんどん未知の領域へのチャレンジを続けていけば、
楽しく生きていくことができるような気がします。
失敗しても破綻してもいいので、とりあえずアクセルを踏み込んでみると
その先で大きな収穫があるような気がしています。
少なくとも、さっきいた場所からは移動して別の景色を見ることぐらいはできるはずです。
ここ数日は、そんなふうに思っています。






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