2014年11月11日火曜日

東北でのコンサートを振り返って、の話






岩手から帰ってきて早数日…。
なんだか慌ただしくてご報告がこんなにあとになってしまいました。



先日の11月6,7日と、東北支援コンサートと題しまして
大船渡と陸前高田で計4会場をまわる演奏会に参加させていただきました。


大船渡は盛(さかり)でのリハーサルの様子


旅先での演奏も初めて、1日2回の公演も初めて、岩手も初めて、ということで
初めてづくしの2日間でございました。
また、僕みたいなペーペーがご一緒させていただいていいのか!?ぐらいの
大先輩のみなさまの中に混ぜていただいて、緊張もたくさん、刺激もたくさん。
エキサイティングな2日間、とても良い経験をさせていただきました。



こちらは綾里での会場設営中


2回の一般公演と2回の学校公演でした。
移動やリハーサル、本番の控えの間など、共演者のみなさまから貴重なお話や
色んなアドヴァイスを頂いて、そこで感じたことをすぐに本番で試しながら過ごした2日間だったように思います。

正直なことを言えば、稽古の段階ではまだ、自分自身声を出すのが怖くて。
自身のなさがそうさせていたのだと思います。
でも「板(舞台のことをそう呼びます)の上では先生とか生徒とか関係ないのよ。平等。」
というお言葉や、常にフルスロットルでパフォーマンスされる共演者のみなさんの姿を見て
憑き物がとれたといいましょうか、良い意味ですこし開き直って、
自分に出来る最大限のアウトプットが出来るようになったと感じています。

実際、帰ってきてからこっち、歌うことがより楽しくまた気持ちよくなりましたし、
声の状態も良くなったように感じられます。


ピアノの連弾も交えての盛りだくさんなプログラムでした


学校公演では、僕のアリアの最中に(陰口の歌を歌いました)小学校低学年の児童が
ケラケラケラと笑い出してくれたりしました。
こんな反応、いつもの公演ではないリアクションでしたからね。

すこし演技をつけていたから、動きが面白いのかな?と途中動くことを全くやめたのですが、
それでもさらに笑いが続く様子。
どうやら早口の響き(?)が面白かったようだ、と自分なりに考えています。
不思議ですね、イタリア語での歌で、意味などわからないはずなのに。

コンサートが終わり僕たちが車で学校を出発する時には、
ちょうど給食の時間だったこともあってか、児童がたくさん出てきてくれて、
自然発生的に、元気いっぱいの合唱で見送られたなんて場面もありました。
嬉しくて、ちょっと涙ぐみました。




岩手の里山の風景はすっかり紅葉に色付きはじめていて、
また町のあちらこちらにはたわわな柿のオレンジがたくさん見受けられました。
山の風景は、盆地育ちの僕にとって一番落ち着く眺めです。
車での移動の道中もとても楽しませていただきました。


震災の被災地へ降り立ったのは、今回が初めてでした。
ずっと話には聞いていたかの地をようやくこの目で見ることが出来たのは、
僕自身にとって大切な経験となりました。
現地の方に触れ、その話を聞き、もてなしを受け、歌を聴いていただいて。


高田松原の道の駅だった建物。


最終日には陸前高田の市街地も見にいきました。
海抜の低い地域は波にさらわれて現在復興作業中。
内陸に寄った小高い土地では、新しい建物の建設ラッシュで新しい町が生まれる勢いです。

それでも、低い土地の方も、近くの山を崩した土で盛り土をして高さを上げて
開発をしている最中でした。

10mほど土を盛っている。

はじめの頃はダンプカーが行き来して、渋滞や騒音が凄くて、と仰っていましたが、
最近は気仙川を超えて土砂を運ぶベルトコンベヤーが出来て
あっという間に作業が捗っていると伺いました。

波にさらわれた土地は、そうと知らずに見ればただの空き地のように思えます。
セイタカアワダチソウがまるで競うかのようにその土地を埋め尽くし、
すこしグロテスクな黄色が一面に広がっていました。
大船渡でも陸前高田でも、その黄色が目に入ったなと思うと、
連日車を運転して下さった方から、「ここも波が来ました」と解説がはいったのです。


実際はもっとド迫力。


再開発中の陸前高田の海沿いを走ると、なんともいえない気持ちになりました。
波が来るとわかっていても、こうやってまたこの土地に生活をするために土を盛るのだなと。

自然災害の前で僕たちはあまりにも無力ですが、
生きる覚悟を決めるたとき、人間とはとても強い存在なのですね。
広い気仙川を超えて土砂を運ぶベルトコンベヤーは「希望のかけ橋」と名付けられたそうです。

今回の旅を経て、歌い手の自分として感じ、学んだたこともたくさんありましたし、
またひとりの人間として感じ、教えてもらったこともたくさんありました。
幸せだったのは、たくさんの方とお知り合いになれたこと。
これからも何度も何度もお会いできたらいいなと思っています。


夕方の陸前高田では、「希望のかけ橋」がまぶしく輝いていました。






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東北支援コンサート

上山美恵子 ソプラノ
三縄みどり ソプラノ
森山京子  メゾ・ソプラノ
持木弘   テノール
山野靖博  バス

須江太郎  ピアノ
松下倫士  ピアノ、アレンジ

11/6 千葉幸会館、綾姫ホール
11/7 横田小学校、竹駒小学校

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