2015年7月7日火曜日

地方の芸術家はチャンスだし日本が世界最大の文化芸術マーケットになっちゃえばいい、という話。






「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第4次方針)」を読んでみた、という話。
という記事をおととい書いたのですが、
ちょっとその記事が堅苦しい感じになってしまったので
(しち面倒くさいことをわかりやすく書こうと思ったのにできなかった。力不足也)
そのあとざっくりTwitterの方に概要を書いてみたのです。

で、それが案外わかりやすいのかなとも思うので、
試しに転載してみます。
ちなみに、Tweetのコード埋め込みしようと思ったら、
公式のサイトからのコード生成がうまくいかなくて断念しました。
解決法わかる方いたら教えてください。

なので、以下僕のTwitterアカウントから引用です。



面白いなと思ったところをまとめました。
文化芸術活動関係者の皆さん、読んでくださったら嬉しいです。
ブログを更新しました。
山野靖博の『ちょっとく』
「文化芸術の振興に関する基本的な方針(第4次方針)」を読んでみた、という話。 http://tyottoku.blogspot.jp/2015/07/blog-post_5.html



今日のブログについて補足。

文化庁から発表されている「文化芸術の振興に関する基本方針」という文書を読んで、僕自身が気になった記述についてをまとめてあります。文化芸術は日本の資源であり、今後戦略的投資と捉えて支援や環境整備をしていこうという国としての姿勢が書かれています。


文化芸術には、音楽や美術はじめ、日本の古典芸術(歌舞伎、能、狂言、浄瑠璃、落語、神楽、各地方のお祭りまでぜーんぶ含めて)や文化財(古美術、現代美術や建築なんかも)などなど、およそ文化的な活動と捉えられるすべてが含まれています。そして、その階層はプロアマ関係なく想定されています。


創作・創造はもちろんですが、鑑賞活動や文化芸術への参加も振興の対象になっています。そして、そこで想定される主体とは「さまざまな人々」であり「多様な主体」です。 さまざまな人々とは、老若男女・健常者・障害者・要介護者・青少年・子供を育てる保護者・外国人などまさしくさまざまな人々。


多様な主体とは、個人、民間団体、地方文化芸術団体、企業、国などのこと。

さまざまな人々では水平的にあらゆる状況に置かれた人々が想定され、多様な主体では垂直的にあらゆる階層の個人や組織が想定されます。

 もう本当に、日本という総体を指してこの指針が打ち出されている。


そんな状況を実現させるためにこんなことをやるよということもたくさん明示されているわけです。
特に面白いのが、どの地域に住んでても国民が等しく文化芸術を享受できる環境を整備するというやつ。この、等しく、というのは、都市部も地方も全く同じものを享受できるべきという意味ではありません。


この指針では地方創生も織り込まれていますから、その土地に根付いた土着的な文化が醸成されていくような方向性が望まれています。 これは、劇場法の変遷や各ハコモノの指定管理者制度に則して、それぞれの土地がそれぞれの土地にあった方法でイニシアチブとってね、ということだと僕は解釈しました。


で、ただ地方に責任を投げたわけではなくて、そういった取り組みに関してはちゃんとした支援体系を整えますというのもちゃんと書かれています。 文化芸術はその特性により市場規模が小さかったりするけれど、そういったものへの支援は社会的意義を超えて、より戦略的な投資として捉えます、と。


文化芸術への支援は、戦略的投資として捉えなおされたのですよ。(個人的にめっちゃ嬉しいことだから二度言った)
で、文化芸術の振興は成熟した日本という社会の経済的な源泉にもなるのでそれにとって大事なリソースである「人材」についてもちゃんと育成しますよ!ということも明文化されています。


具体的には新進の芸術家に対する発表機会の増加や、海外との交流(留学やレッスンなどの)機会提供。それに留まらず、顕彰制度の見直しや、アートマネジメントやプロデュースの人材、各施設に常駐する専門職員の育成なども打ち出されています。これって僕的にはめっちゃ希望輝く未来。


もちろん、クリエイターや表現者、マネージャー、プロデューサーといった、文化芸術の発信する側だけでなく、享受者としての聴衆や鑑賞者についての育成もちゃんと盛り込まれています。学校教育のなかで文化芸術教育を増やしたり、さまざまなワークショップを行うといったことを通して表現されてます。


また、メディアアートも重要なリソースとして考えられているので、これらをきちんとアーカイブ化し、輸出産業としてより競争力を高めていこうとも謳われています。


とまあ、いろいろ長くなったんですけど、こんな感じ。
 あ、まだ大事なことがありました。 どんな言語を話す人でも日本での文化芸術をきちんと享受できるように、各場面での解説や字幕、音声ガイドの多言語化も推し進めていくとのこと。これはマジで素晴らしい。


とりあえず2020年の東京オリンピック・パラリンピックにむけて、いろんな整備をし、国内外に発信していきたい!というのが根幹にある思想だと思いますが、これを利用しない手はないと思うのです。


都市部はパフォーマーも享受者も層が厚いですから、この指針を元により活発な文化芸術活動が行われていくはずです。これはまあ勝手にやればいいと思われます。
問題なのは地方です。いい人材がいるのに、潜在的なニーズがあるのに、支援者がいないことによりうまく文化芸術活動が回らないのが地方。


けれど、この基本指針や劇場法、指定管理者制度についての指針を踏まえると、地方の文化芸術の管理団体や行政も、なにかしらの実績を上げなければいけません。これ、地方在住だったり、地方にゆかりがある芸術家はチャンスです。まじチャンス。


下世話ないいかたをすれば、人のお金で自分の企画や展示を実現できる可能性が増えた、ということです。自分一人では実現不可能なことを、実現させる土壌が整備されたということです。あとは、プレゼンをするだけ、行動を起こすだけ!


そうやってコンテンツが有象無象に生まれてくると、そのなかにキラリと光る逸品が誕生します。総数が大きければ大きいほど、世界に通用するコンテンツも増えるはず。いやー、なんて素晴らしい世の中なんだ。



だから、僕ら芸術家やクリエイターは、気概を持って、世界にそのまま出してもいいと思えるようなアウトプットを常にしていくべきです。そうすると、それが本当にグローバルな市場にのっかる可能性が高まってる。自分の力でそこにのっけていくのも、やりやすくなってる。


ヨーロッパやアメリカに勉強にいくのも素晴らしいことです。僕は海外にいったことがないから正直羨ましい。
 けれど、日本はすでに世界的にも稀に見る高感度な文化芸術の消費市場です。そこから発信されるコンテンツとして海外市場に対してブランディングすることが強い価値を帯びてくる。


これからはそんな時代になっていくのではないでしょうか。
世界的な先生や芸術家とかを、全部日本に集めちゃえばいいんだよ。税金も優遇してさ、年金もあげてさ。演奏旅行やマスタークラスのために海外に行く渡航費とかもある程度負担しちゃってさ。そうなったら日本やばい。




最終的に「海外のすごい芸術家やパフォーマーを国の支援で日本に集めちゃうとやばい」
みたいなところに落ち着いてるのが自分でも面白い。

勢いで書いているところもあるので、日本語が変な箇所もあるかもしれませんが、
原文ママに載せてあります。


国が主導して文化芸術に対する政策を打ち出していくというのは、
文化や芸術の自主性を損ねることになるのではないか、みたいな懸念もあって
賛成ばかりじゃないのは承知していますが、
それでも戦略的に重要なリソースと捉えて投資をしてくれる土壌ができるのなら
これはこれで喜ばしいことではないでしょうか。
土壌があるから全員支援を受けろってことではないですから。
自分は必要ない、自分の力でマネタイズまで持っていきますということなら
それはそれでいいわけですからね。


志も実力もあるクリエイターが、マーケット感覚や対人交渉が苦手という理由で
素晴らしいプロダクトを作り出しているにもかかわらず外に発信されない現状が、
支援者やマネジメント、プロデュースの人材が増えることによって救えるようになったら
これはとってもいい世界なのではないか、というのが僕の考えです。





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