ご無沙汰しているうちにいつの間にか春も春。
花粉症持ちの僕にはなかなか辛い時期であります。
東京で春一番が吹いたのが3月1日。
朝から晩まで鼻水とくしゃみに苦しめられはしましたが、
それでも春の訪れは嬉しいもので、
次の日には喜び勇んで春らしいお皿で食卓を飾りました。
春菊のサラダ
食べやすく千切った春菊の葉を、ヴィネガーとオイル・塩胡椒のドレッシングで和えるだけ。
わしわし食べると苦みと香りに、冬の間縮こまった背筋がしゃんと伸びる心持ちです。
うどの黄身酢
うどの穂先と皮を煮立った湯に通して刻み、黄身酢をかけました。
簡易黄身酢なので出汁も裏ごしもなしですがそれでもなんとかなるようです。
うどの白さ、生のシャキシャキ、火を入れてつるりとした舌触り、なにより香り。
春を告げる白い芽を食べる、と考えれば思い浮かぶのは西洋の白アスパラガス。
白アスパラガスにお決まりはもちろんオランデーズソース。
日本のホワイトアスパラがうどなら、オランデーズは黄身酢とはなんと上手い取り合わせ。
西洋も東洋も食べることの組み合わせの妙は、意外と近い感覚を持っているのでしょうか。
貝が入れば極上でしたね。
鯛めし
鯛めし
春がウキウキするのは暖かさやファッションの楽しみももちろんですが、
なにより香りと彩りが食卓に華を添えるから。
春の魚は、まだ寒さのうちの鰆をはじめに、さよりにしんこに白魚。
貝が旨くなれば桃の節句が待ち遠しく、いよいよ大気が温みだせばなによりも鯛。
ごくごく簡単な鯛めしをお教えしましょう。
洗った米を水に浸して、一人前ふたひらの計算で昆布を。
一晩たったら一度ザルにあげ、鍋の中に酒・醤油・塩を好い加減に。
水加減をして昆布もそのまま入れ、心持ち柔らかく炊き上げます。
鯛は別に包丁。血鯛ぐらいの小振りなものなら丸のまま焼いてもいいですが、
せっかくならば大振りの真鯛、それも桜鯛を用意したいものです。
塩を強めに打って皮目をパリリと焼き上げます。焦げも香りと心得ます。
魚の焼き上がりは飯の蒸らし上がりの2分前に合わせ、
炊きあがったご飯の上に焼き上げた鯛、刻んだ芹をたっぷり。蓋をします。
2分後蓋を開け、立ち上る湯気のその香り。春のご馳走です。
ざっくりと混ぜ上げてお召し上がりください。
冬の滋味深き食卓と柚子の香気もいいものですが、
春の苦みと香り、芽吹きをそのまま食べるという瞬間は
なにものにも代え難い幸せでありますね。
yy
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