1年伸ばした大学生活も3月で終わり。
卒業旅行というわけではありませんが、新幹線のなかから記事を書きます。
ひょんなことから東大寺別当の甥御さんと知り合ったのは昨年末。
とはいえ、実はそういう家の出だと知ったのは今年に入ってから。
僕には小学生以来の夢があって、それは東大寺のお水取りにいくこと。
(世界の)過去の罪障を懺悔し、天下泰安や五穀豊穣を祈る十一面悔過法は
陰暦2月に執り行われたことから修二会と呼ばれます。
東大寺の修二会。
一度行きたい行きたいと思い続けてタイミングが合わず踏ん切りもつかず。
けれど今回は有り難い巡り合わせのお陰で念願が叶います。
しかし、新幹線というのはどうにも心拍数が上がります。
昨年"はとこ"の結婚式のために浜松までいった時にも感じましたが、
どうにも、早すぎる乗り物というのが得意でありません。
ゆったりとした椅子に座っていつの間にか遠方の地についているというのは
楽々の行程のはずなのですが。
身体は運ばれても、心は分離して、出発した駅に取り残されているような気分です。
旅の疲労感というのはもしや、移動したその距離に依るのではないかなと
暫く前から感じています。
それにかかる時間でなくて、それにかかる苦労でもなくて、
僕という心がどれだけの距離を移動したのか、
それが疲れに結びついている気がしてなりません。
徒歩か馬かしか旅の手立てがなかった頃なら、何週間もかかる道程を
ほんの数時間でビュンと行き過ぎてしまうのですもの。
新幹線ならまだしも、飛行機ともなればもっと大きな距離ですね。
こうして想像していくと宇宙飛行士の心の疲弊を思ってため息が出ます。
心の移動した距離、をあてにすれば身体は動かずとも
なんだかどっしりと疲れたというのはまさにあることで、
つまり演劇や映像、音楽、美術作品。
観察者の心が解き放たれて、緯度や経度だけでなく時空さえも超えた旅をしたあとは
身体はずっとここにあったとしても、腰の芯から疲れに浸っているというのは
もしかしたらそういうことなのかもしれません。
昨日は朝から貝のリゾットを所望しておりまして、
夕食の折りに望みを叶えた次第です。
貝のリゾット
買い物に出た時間も遅く、満足な貝類は店頭に出ていなかったので、
一皿幾らのアサリと、刺身用に包丁された青柳をもとめました。
簡単に作り方をご紹介。
材料
米
アサリ
お好みの貝
菜の花
オリーブ油
塩胡椒
クズ野菜
スープのもと
白ワイン
砂抜きをし丹念に洗ったアサリを鍋に。
少しの水を足してごくごくの弱火にかけます。
アサリは弱火で、と教わりました。忠実に守っています。
貝の蓋が開く頃になると水分は白く濁って泡立っているはずです。
これがアサリの出汁。この出汁で米を炊きます。
アサリを取り出し、残った汁にたっぷりと水を足します。
煮立たせたところにクズ野菜。
人参の皮、たまねぎの切れ端、セロリの筋、パセリの茎。
そしてローリエとミニョネット。
市販のインスタントのブイヨンを加えて、薄味に調整します。
別の手頃な深鍋にオリーブ油を敷いて、極細にしたニンニクを炒めます。
香りが立ったところで洗わないままの米を入れ、透き通るほどに炒めます。
炒めることで米の周りに膜の層が出来、べちゃべちゃの炊き上がりを防ぎます。
白ワインを米の半量ほど注ぎ入れアルコールを飛ばします。
米の鍋に沸かしておいたブイヨンを注ぎます。大体米の3倍。
米が踊るほどの火加減にしてそのまま煮ていきます。蓋はいりません。
別の鍋で湯を沸かし塩を入れ、菜の花を湯掻きます。
色が冴えてかつ歯ごたえのあるままに茹で上げねばなりません。
穂先と茎を切り分け、茎と葉は小口切りに包丁します。
8割がた水分の飛んだ米の味を見て塩胡椒で調味します。
ゴムベラで底から混ぜながら水分量を調節します。
仕上げの2歩手前で菜の花の茎を混ぜ入れ、仕上げの半歩手前でオリーブ油をひと回し。
火を止めたら貝を加え空気を含ませるように混ぜ合わせながら、余熱で貝に火を入れます。
最後に味見をして加減がいいようなら温めた皿にこんもりと盛りつけ
上に菜の花の穂をあしらって挽きたての胡椒を振ります。できあがり。
使うスープのもとはなるべく穏やかな味のものがいいように思います。
ビーフコンソメなんかだとどうにも角が立って、今回のような料理には合いません。
僕はここ8年ほど、通販生活の「野菜のブイヨン」を使うことにしています。
野菜原料だけのブイヨンで、湿気に弱いのが考えものですが、
密閉容器にいれて冷蔵庫で保存すればさほど困ることでもありません。
そうこうしているうちに浜松を通り過ぎます。
今夜から数日の奈良滞在です。
yy
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