なかなか面白い記事でした!
【舛添都知事日記】
2020年東京五輪を契機に文化でも東京を世界一に!
舛添レポート | 現代ビジネス [講談社]
http://urx2.nu/haab
本文中にある「東京文化ビジョンの素案」はこちら。PDFファイルです。
本文 http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/visiondraft1.pdf
資料 http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/visiondraft2.pdf
面白いなと思ったのは、舛添さんが
2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会は、単にスポーツの祭典であるのみならず、文化の祭典でもある。と言い切っている点。
そうですよー。せっかく世界中から人が集まるチャンスなんですから、
単なるスポーツの祭典にしてはもったいない。
というか、1964年の回顧主義的東京五輪をもう一度、みたいな
クソなヴィジョンでオリンピックをやりましょうとか、
世界的な前高度経済成長期からの流れを踏襲したオリンピックをやりましょうとか、
そういうのはつまらないですからね。
この辺の指摘は、評論家の宇野常寛さんが編集する「PLANETS vol.9」の冒頭の
猪野寿之 × 乙武洋匡 × 宇野常寛 の鼎談で丁寧に語られています。
「オリンピックをHACKせよ
――日本を再設計するための2020年」
猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡
PLANETS編集部
http://huff.to/1DXazpv
いいですか、文化に携わるみなさん。
東京都の知事さんが、明言しましたからね。
覚えておきましょうね。
言質をとる、ではないですけれど、とりあえずこういうビジョンがあるのだと。
覚えておきましょう。
「舛添都知事日記」から幾つか引用しますよ。
引用しながら僕なりに読み砕きますよ。
まずは「東京文化ビジョン」の理念から。
(1)東京の芸術文化のオリジナリティ溢れる多様性を発信する
「オリジナリティ=独自性」「多様性」「発信」3つがキーワードですね。
オリジナリティはいいとして、日本という国は多様性を排除しながら成長してきたし、
発信というところでは非常に弱いですから、ここに課題が2つ。期日は5年後。
(2)東京の更なる成長の柱として芸術文化を位置付ける
「更なる成長」ということは、これまでの成長に自負があるということですね。
経済都市としての地位は、アジアの他国にどんどん取って代わられていますから、
より成熟した文化都市としての成長が必要だってことです。
(3)オリンピック・パラリンピックを契機に有形・無形の文化レガシーを創出する
"レガシー"ってのがピンときませんが、つまり「資産・遺産」という意味らしいです。
今後の日本や世界にとって重要な遺産となるような、文化的な何か(有形でも無形でも)
を作っていきましょうねーってことですね。
(4)東京を舞台にあらゆる人々の交流と世界中のアーティストの創造活動を促進し、芸術文化の力を世界平和の実現につなげていく
「あらゆる人々」「創造活動を促進」「芸術文化の力を世界平和の実現につなげる」がキーワード。
「あらゆる人々」ですから、健常者も障害者も、日本人も海外の人も、仏教徒もイスラム教徒も、
ストレートもLGBTも、地球人も宇宙人も、もーあらゆる人々が交流します。東京で。
創造活動を促進ですから、創造活動したいアーティストには場やお金が与えられるはずです。直接的にも間接的にも。
「芸術文化〜世界平和」については、まあそのままですね。
(5)芸術文化の力で東京を変える取り組みを全国に広げ、文化が牽引する新たな日本をオールジャパンで創出する
日本の未来のヴィジョンに、「文化が牽引する」というのがあるということですね。
文化とはつまり、芸術だけに限りません。生活や習慣、地方性、言葉、多様性の受容、
そういったものまで含めて文化ですから。日本の未来はこれまでとは違った方向に
舵を切っていくことになります。
次は文化戦略。
(1)伝統と現代が共存・融合する東京の独自性と多様性を追求し、世界発信
ここでもキーワードは「独自性」「多様性」「世界発信」
それに新たな説明要素「伝統と現代が共存・融合」が加わっています。
まずは伝統を学ぶところからはじめ、現代とは何かを考えなければいけませんね。
(2)多彩な文化拠点の魅力向上により、芸術文化都市東京の発信力を強化
これよく意味わかりませんね。
文化活動を行える拠点を多彩に用意しその魅力を向上、
コンテンツが豊かになることで発信力が強化されますってことかな?
青山劇場なくなりますけどね。
(3)あらゆる人が芸術文化を享受できる社会基盤を構築
これ重要。「あらゆる人が芸術文化を享受できる社会基盤」です。
生活保護層も芸術文化を享受できる社会基盤。
低所得者も芸術文化を享受できる社会基盤。
これ、どうやって構築していくか、大きな課題ですが、素晴らしいヴィジョンです。
(4)新進若手を中心に多様な人材を国内外から発掘・育成、新たな創造とビジネスのチャンスを提供
重要なのは「ビジネスのチャンスを提供」。芸術文化をこれからの日本の、
新しい主力商品にしていきましょう。これ、本当重要。
クリエイターやパフォーマー側にも意識の改革が必要です。
(5)都市外交を基軸に国際的な芸術文化の交流を促進し、グローバルな競争力を高める
後の文章に「カンヌやベネチアに負けないような映画祭や、
ザルツブルグに引けを取らない音楽祭などを創り出したい」とあります。
この辺が関わってくるんでしょうね。都市外交。
(6)教育、福祉、地域振興等、社会や都市の課題に芸術文化をソリューションとして活用
"ソリューション"つまり解決策ですね。社会や都市の行政的課題解決のために、
芸術文化を活用していくということ。ただアウトリーチとか、ただ慈善訪問演奏とか、
そういうのにとどまらない活用の仕方の発見が必要ですね。
この辺、欧米に先行モデルがありそう。
(7)先端技術と芸術文化との連携によりクリエイティブ産業を支えるイノベーションを推進
これも漠然としていますねー。先端技術開発にじゃんじゃか投資をしてくれるといいですね。
日本のクリエイティブ産業の、世界での競争力の低さは周知の沙汰ですから、
それこそそこで勝負したかったらかなりでかいイノベーションが必要です。
(8)東京のポテンシャルを体現し、世界から認知される文化プログラムを実現
これ、難しい。東京のポテンシャルって、もっと活発にオープンに議論されなければいけませんね。
地理的ポテンシャル、文化的ポテンシャル、経済的ポテンシャル。
スシ・テンプラ・ウナギ、芸者・ハラキリ、オタク・ロリ・萌え。
これを凌駕するもっとかっこよくて尖った、文化プログラムが出現して、
それこそ東京だ!!!みたいに世界から認知されるといいですね。
長くなっちゃいました。
まとめも面倒なので、この辺にします。
とりあえず覚えておきたいのは
都知事が「オリンピックまでに文化で東京かえるよ!」と言ったこと。
あと5年ですからね。いそがないと。
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