今朝方は東京でも雪が降ったようですね。
１０時過ぎに起きたので僕は全く知りませんでしたが。
学校の寮から引っ越す際に実家へ送ってあったギターを
数日前に国立の部屋へ持って帰ってきました。
先週末のオペラの本番でワンシーンだけ弾く場面があったので。
アリーチェの部屋にファルスタッフが登場するシーンのリュートのアテです。
このギターは僕が初めて自分のお小遣いで買ったHeadway.
高校生1年の時に買ったもの。
小学生からそれまでは、叔母が昔弾いていたYAMAHAのFGシリーズを弾いていました。
ドレッドノートタイプだったので当時の僕にはボディも大きいし
指板も太いし、ずいぶん大変な思いをして練習をしましたが、
それでもベースの力強さとパキッと乾いたようなサウンドは
今でも覚えています。
でも、ギターを弾いていれば自分の楽器が欲しくなるもの。
かき鳴らしても中音域がしっかりと前に出てきて
音色にきらびやかさがあり、サスティンは長め、という
当時僕が大好きだった70年代のセンシティヴなフォークソングの響きに
ぴったり合うギターが欲しい、と思って探したのがこれです。
ピックガードの模様とヘッドの小ささは、当初あまり気に入らなかったけど
今ではすっかり馴染んでいます。
クラシックの道を目指してからは、それまでのように毎日ギターを弾くことはなくなり
大学時代も半年にいっぺんぐらいしかこのギターに触れなかったので、
随分可哀想な思いをさせたなとおもっています。
これからはちょっとずつメンテナンスもしてあげたいと考えています。
楽器は恋人、ですからね。
裏切りのサーカス
監督 トーマス・アルフレッドソン
脚本 ブリジット・オコナー
ピーター・ストローハン
原作 ジョン・ル・カレ 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、 スパイ』
昨日今日と映画づいている。
何故かといえば、先月までの忙しさに閉口し
それはつまりここ３年ばかり続いた、自らで作り出した忙しさなのだけど
卒業の目処と僕にとって大切な演奏会のひとつが終わったらば、
以前のように1日中映画を見る日を作ろう、と決めていたからだ。
大学生活の前半は、本当によく映画を観た。
料理もたくさんしたし、ギターも弾いた。
同居人に、もっと歌の練習をしなさい、とあきれられたほどだ。
僕はハリーポッターのファンだから、小説はもちろんコレクションしているし
映画も手元に置いて何度も見返している。
おそらく、ゲイリー・オールドマンの存在を知ったのは
だから2004年で、そのあと「レオン」を見てからは
教室の掃除中にふと思い出して、ピルを噛み砕くスタンフィールドの真似をしたりしていた。
ゲイリー・オールドマン
コリン・ファース
トム・ハーディ
マーク・ストロング
キーラン・ハインズ
ベネディクト・カンバーバッチ
デヴィット・デンシック
スティーブ・グレアム
トビー・ジョーンズ
そして、ジョン・ハート
それだけで、見る価値のある映画だということがわかる。
脚本がダメでも、編集がクズでも、作品のテーマが救いようのないコメディでも
見にいく価値がある。
実際は、脚本も映像も編集も音楽も、素晴らしかった。
スーツスタイルの多様さに魅了された。
冷戦下のイギリスの諜報機関を舞台とするだけに
みなクラシカルなスタイルを基調としているが
キャラクターに相応しいアレンジを加えてある。
ゲイリー・オールドマン演じる思慮深きジョージは、
室内でもコートを脱がない。
物語はある程度時系列に沿いながらもパッチワークのように紡がれ、
さまざまな情報が断片的に与えられる。
観る前にあらすじを把握していた方が楽しめるタイプの映画。
映画音楽はさりげなくライトモチーフが使われており、
これも謎を解くヒントになる。
ジョン・ハートの存在感は目を見張るほどで、
作中多くの人物に疎まれるコントロールの人柄を、その立ち姿だけで表現している。
ゲイリー・オールドマンの気品ある抑制された演技は
作品全編を通して緊張感と重厚感、そしてわずかな無力感を与えている。
大きな身振り、デコラティブな台詞はないが
その代わりにスクリーンいっぱいに映し出される彼の視線、口元の変化、指の動きは
圧倒的な情報量を湛えている。
物語のキーパーソンの一人を演じるマーク・ストロングは最近よく目にする。
一番印象的だったのはシャーロックホームズのヘンリー・ブラックウッド卿役。
まさしく、悪魔的な瞳を持った演技をいまもまだよく覚えている。
素晴らしいバイプレイヤーだ。
今年は、意識的に映画館に出かけようと思う。
本も料理も映画も愛も、僕の人生にはなくてはならないものだもの。
yy
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