2013年7月8日月曜日

7/8 僕はフリーランサー


こんにちは、山野靖博です。

東京は梅雨があけ、本当に連日暑いです。
あまりに生産性が低くなるので昨日からエアコンをつけっぱなしにしています。
設定温度と冷風の循環だけ気をつけていれば、
体がだるくなるってこともないのですね。
頭が痛いのは電気代ですが、作業も手につかないならまだしも
熱中症は本当に恐ろしいので、これは必要経費と考えましょう。

“必要経費と考えましょう”
こんな発想は大学生活前半では思いもよらなかったものです。
尤も、上の文脈ではどちらかといえば比喩的に使っていますが、
日々の消費活動の中で「経費」という存在をこれほど強く感じて生活しているのは
大学生5年目の昨年の4月からでしょうか。
つまり、卒業して後、個人事業主として開業しなければいけない
という現実を強く意識してから、ということです。



さて今日は、フリーランスの音楽家として生活を始めた僕が、
どんな考え方で毎日を過ごし、やりくりしているのか、
ちょっと書いてみたいと思います。

キーポイントはこちら
・口座を分けてみているよ
・演奏活動で食べる!の呪縛から解き放たれる
・コストはかかってもまずは健康から



世は、就職難、ワーキングプア、ブラック企業などなど
就労問題に対するさまざまな議論がわき起こっていますよね。
学歴難民という言葉もなかなかセンセーショナルに取り上げられたりします。

僕ら音楽家は、というと。
そんなものはどこ吹く風。
もちろん、痛くも痒くもないのではなくて、
“ずーっと前からそうだったよ”

声楽家になる道を志して東京芸術大学に通い、
ことあるごとに聞かれるのが
「音楽家?大変だね、食べていけないでしょ
「大学でたら、どんな就職先があるの?」
というようなこと。
美術系音楽系の学校に通う方なら共感していただけるでしょう。
僕はそういうとき、「フリーランサーとして頑張ります
と答えるようにしていました。
だた、そういうやりとりのなかで気づくのが、
世の一般に於ける”フリーランサー“への認知と理解が低いという現状。
だから直接的に困ることがある、というわけではないのですけれど、
ああ、僕らは圧倒的なマイノリティなのだなぁと実感させられるくらいの衝撃はあります。

フリーという言葉、テレビで聞くとしたら「アナウンサー」という職業に多い気がします。
局アナだった人が独立して、フリーのアナウンサーになったから
いろんなチャンネルに出るようになったねー、みたいな会話。
事務所に所属してマネジメントをやってもらっていたり、
あるいは自分で事務所を起してマネジメントもやっちゃったりと、
方法は色々あると思いますが、
局アナ時代は給料を所属する放送会社からもらっていたものが
仕事の出来高で報酬をクライアントから受け取るようになる、
この図式はどちらにしろ変わらないことと思います。

僕らも同じ。フリーランスの演奏家やクリエイター、アーティストたちは
仕事の「出来高」で「クライアント」から「報酬」をもらいます。

だから、

・時給での賃金計算ではないから作業時間がどれだけかかっても貰えるお金は変わらないし
・契約書は作ってもクライアントが逃げちゃったら報酬を保証してくれるところはどこもないし
・サラリーマンじゃないからいろんな福利厚生は自分でどうにかするしかない

のです。

ああ、目の前が真っ暗・・・・。


「好きなことできてるんだからいいじゃない」
という発想もあるみたいですが、
好きなことできている「から」、報酬も足元みて雀の涙でいいだろー、っていう発想を
社会の一般的な考えとしてもたれていては、はっきりいって困るのです。
サラリーマンより優遇しなさい!という要求ではなく、
「好きなこと」「嫌いなこと」をしているからしかたない、という思考から抜け出したところで
日本では多種多様な経済活動が認められ、互いに尊重されますよー
っていう風になってほしいなと、つくづく思っています。

・・・話がそれました。



・口座を分けてみているよ


現在僕は演奏活動だけではとてもじゃないけれど食べていかれないので、
生活資金のおよそ3分の1を両親からの支援に頼っています。
で、飲食店でのアルバイトでお給料で3分の1を補って、
残りの3分の1が、音楽に関係した報酬による、という収入ポートフォリオです。
ゆくゆくはまるっと音楽関係での報酬でカヴァーできたらな、というのが目下の夢です。


基本的に僕はずぼらなので、入ってくるお金の種類が3つもあると、
ひとつの財布だけではそれを仔細に管理しきれないです。
いつのまにかごちゃごちゃになってしまう。
なので、口座は大まかに3つに分けています。
で、それぞれの口座ごとにお金の使用目的も分けるようにしました。
仕送りは家賃と水道光熱費の支払いにしか使わない、とかね。
ちなみに、アルバイトのお給料は食費とかの生活費として使って、
音楽関係の報酬は交際費と貯蓄にまわしています。


・演奏活動で食べる!の呪縛から解き放たれる


いま現在は上に挙げたような収入バランスですが、
ゆくゆくは全て音楽関係での報酬でカヴァーしたいなと考えています。
でもこれは、“演奏収入だけで食べていこう!”とは似て非なること。

実は少し前までは、演奏の収入だけで食べていけたらいいな、と思っていました。
というか、多くの演奏家の卵はどこかでその夢を描くはずです。
どーんと有名になって、世界中で引っ張りだこで、親も左うちわで・・・・etc
そうなれたらいいのですけれどね、その目標を達成するためには
細々したアチーブメントがあるんだなということ。

演奏だけで喰う!と思う、それが自分のモチベーションに転化されるような方ならいいのでしょうけれど
僕は基本的に根が暗いタイプの人間ですから、
その意気込みが自分の重荷になる、あるいは首を絞めるという方向にいきそうだったのです。
その上演奏で生活できるようになるまでは文字通り爪に火を点さねば暮らせないという
未来予想図が描けてしまったらさあ大変。
陰鬱陰鬱とした毎日が約束されます、という状態。

しかし、当然それは身体的にも精神的にも不健康な状態だし、
なにより、生活に困窮している影が見える演奏家の歌なんて、素敵なはずがない。
だからその状態を脱却するために、
「演奏だけで食べていくのではなくて、音楽を構成する要素の周辺事業を組み合わせて
 生活が出来ることを目指したいな〜!」
というふうに目標設定を変えたのです。
それ以降精神衛生のいいことと言ったら!


具体的には
・歌を教えること
・誰かの演奏活動を支えたりサポートしたりすること
・クラシック音楽の新たな局面をデザインするようなサービスを提供すること
・山梨の文化的基礎体力を向上させるための取り組み
・自分の演奏活動
こんなポートフォリオ構成で自分と自分の身の回りの人々が
苦しくない程度に生活できるような状態をつくっていこうと考えています。

演奏だけで食べる!から、愛する音楽に触れながら価値を提供する!へ。
これが僕の、心の転換ポイントとなりました。


・コストはかかってもまず健康から


そんな新しい夢を実現するためにもしなければならないのは、
自分のスキルアップです。
その中でも急務の事項として僕が大切にしているのは「体調管理」。

フリーランサーの方すべてにあてはまることですが、
僕らは病気やけがで休業してしまうと、“即、収入が途絶える”のです。
保証がないから。
特に声楽家だと事態はもっと深刻で、
他のクリエイターならば仕事ができる程度の風邪だとしても、
喉がだめで「歌えない」という事態が起きるのです。いとも簡単に。
それが仕事や大きな稽古にかぶったときの絶望感と言ったら・・・・。

なので、どんな些細な病気でも、罹らないにこしたことはないのです。

僕は典型的なやせ形で、筋力もなく、運動不足です。
食生活には気をつけていますが、食べる絶対量が少ないので、摂取カロリーも往々にして足りてません。
まずこの状態から脱却することにしました。

体力づくり、筋力作り。カロリー摂取のためのサポート食品の導入。
お金をかけずにやることも可能でしたが、僕は基本的にずぼらなので
自律するということが得意ではありません。なので人の力を借ります。
ジムとかトレーナーとかね。当然コストはかかります。

あるいは、僕は中央線沿線に住んでいますが、
中央線の朝夕の混雑というのは本当にたまったもんじゃありません。
僕の家から都心へ出るまで大体40分かかりますが、
そのあいだ満員電車で立ったままおしくらまんじゅうしていると、
仕事場についた段階で精神と体力のリソースを大分もってかれている状態になります。
これは、あきらかに大きな損失です。
なので最近は、立川からの特急電車を意識的に利用するようにしています。
前だったら「そんなお金勿体ない」と考えていたところを、
「体力を温存してパフォーマンスの高い仕事をした方が価値がある」と考えを改めました。
だから、タクシーだって結構臆面なく使います。収入は少ないくせに。

もちろんこういう費用は経費にまわします。仕事のための交通費ですから。
“経費”という考え方が生活に浸透してから、生きることが少し楽になりました。
すべてを「経費経費」と謳って無駄遣いをするわけではありませんが、
前だったら「もったいない」と足踏みして、消極的な消費活動に陥り、
自分の体力や時間を浪費していたような場面でも、
積極的なお金の使い方ができるようになったからです。

なんか、こうやって書いていると僕の日々の生活コストがものすごく高いような感じがしますが、
基本的に僕は1日を1100円で暮らしています。
仕事の日も、休みの日も、1100円。交通費も食費も雑費も、一日1100円の枠でやりくりします。
これを高いか安いか判断するのはみなさんですね。
僕の場合はこれ以上少ないと毎日が気持ちよく暮らせないし、
これ以上多いと支出バランスとしておかしくなっちゃうのでこの金額で設定しているのです。








お金の話をするのって、ちょっとだけ勇気がいります。
僕の周りの多くの友人が、僕と同じように試行錯誤をして頭を悩ませている問題です。
その友人は大方、演奏家だったりクリエイターだったり研究者だったりします。
社会的にマイノリティーな働き方をしている人々です。
でも、僕の身の回りではそんな存在がマジョリティなのです。

普段は面と向かって「ねえ、生活費どうしてる?」なんて恥ずかしくて話せません。
けれど、それぞれにいろいろ考えているんだろうなっていうのはわかります。

今日僕が書いたことが、誰かにとっての何かのヒントになれば
とおもってポストしてみます。


フリーランサーって、結構楽しいなって最近は思ってきました。
学生の肩書きから解き放たれてまだ4ヶ月目ですから、
それは甘い感想だよという指摘もあるかと思いますが、
現に僕は“楽しい"と感じているのです。
この気持ちをずーっともちつづけていけたらいいな、
そんなことを考えながら毎日を過ごしています。

yy




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