2013年7月10日水曜日

7/10 甲府駅北口が文化発信の核になる!


今日は すこしだけ、僕の熱い思いを書いてみたいと思います。
連日猛暑のさなか暑苦しいかもしれませんがどうぞおつきあいください。

☆ 今、甲府駅北口がアツいワケ


このところの甲府駅北口を中心とした再開発を、
僕はとても喜んでいます。

・甲府駅北口建物の新築とロータリー及び駐車場の整備
・山梨県立図書館の移築
・山梨文化会館に開店したD&DEPARTMENTのショップ

特にこの3つに起因する甲府駅北口に見え始めた文化密集に
本当にワクワクしているのです。
もちろんこれらの他にも舞鶴城公園の整備修復や、
藤村記念館の移転とその活発な利用、
北口や新甲府市役所でおこなわれるさまざまなイベント、
甲府駅を中心とした地域に次々と開店する新しいショップたち、などなど
盛り上がりを感じさせる要素がここ数年で本当にたくさん増えました。



そのなかでも、演奏家としての視点から言えば、
山梨県立図書館の存在は非常に大きいです。
収容が160名強という「演奏者と観客が体温を交換できる」ようなホールが、
「安価」に「手軽」に利用できるようになったからです。

また、お客様の立場からしてみても、甲府駅北口極近での演奏会というのは、
とても足を運びやすくていい、という感想を多く頂いています。


以前まででしたら山梨で演奏会をするとなると、
甲府市総合市民会館やコラニー文化ホール(旧山梨県民文化ホール)
その他各市町村の持っている「多目的ホール」、個人の所有するホールなどが
演奏会場としての候補でした。
しかしこのどれもが共通の難点を持っていたのです。

1、アクセス方法が車に限られる
2、周辺に飲食店や雑貨屋、装飾品屋など、立ち寄れるスポットが少ないor遠い
3、利用料が高い(とはいえ東京の施設に比べたら安いのですが・・・)
4、収容人数が多いところが多数(300〜500人規模)


新しく新築移転した山梨県立図書館は、このすべての問題をクリアしています。

1、車の他に、駅近なので電車でご来場いただくという選択肢が増えた
2、会場から徒歩圏内にさまざまな商業店や施設が密集している
3、利用料がべらぼーに安い
4、100〜160人強という「ちょうどいい」収容人数

これを活用する手はない。
事実、上にも書きましたが、演奏会のご案内をお客様にした時にも

「新しい図書館をみてみたいと思っていたから、いい機会だわ」
「あの辺だと車も停めやすくていいね」
「駅からすぐだから電車で行こうかしら」

などといった感想を多く頂いております。
図書館の立地と、その周辺施設との関係が
演奏会に来ていただくまでの心的ハードルが下げる大きな要因になっていると
僕自身は感じています。



☆東京と山梨をフラットな文化圏に



駅近のコンサート会場として山梨県立図書館を利用できるようになった利点のひとつとして、

東京から演奏家を招きやすくなった

という点があげられると思います。これは大きな価値です。
新宿から特急電車を使えば最短90分で甲府に着きます。
高速バスを利用する場合も、甲府駅に到着をする路線があるので会場まですぐにたどり着きます。
甲府駅近辺の宿泊施設は充実していますし、コンビニからレストランまで
食事の心配もありません。
少し足を伸ばせば温泉にも案内できますし、
音楽家は大体美味しい物に目がないので、山梨の土地の食材とワインを楽しんでももらえます。

また、何度も書きますが160人ぐらいに向けての演奏というのは
お客様も演奏者も互いの表情がはっきりとわかりますし、
呼吸の様子まで感知しあいながら空間を共有できる最適な単位です。
演奏家としてもいい緊張感を楽しみながらパフォーマンスが出来る単位だと僕は感じています。

こういった利点を生かして、東京を中心に活動をしている表現者を
定期的に甲府のまちへ呼んで、パフォーマンスをしてもらう、
というプロジェクトが始動できるのではないかと僕は考えています。

県内在住の方が東京へ出なくても、同じクオリティのパフォーマンスを
甲府の真ん中で体験体感していただくことができるようになる。
考えただけでもワクワクします。

もちろん、山梨出身で現在各地で活躍研鑽をしているプレイヤーもたくさんいますから、
彼らも巻き込んで積極的なコンサート活動を、甲府でやっていく。
施設使用料が安い分、チケットを安く提供することも可能です。

その活動が実を結べばゆくゆくは、そういったコンサートシリーズを
「東京から」聞きにきてくれるお客様も増えるかもしれない。
そして、山梨の郷土文献や資料に興味を持って下さったり、
山梨の土地に根付く伝統工芸や宝飾品の技術、食文化を同時に楽しんでいただけるかもしれない。
それでなくても、甲府駅に降りた瞬間感じる、東京の空気との違いや
富士山と舞鶴城公園の風景に感動をおぼえてもらえるかもしれない。

甲府と東京を、あらたな文化圏としてフラットに繋げるきっかけになるかもしれない。

甲府駅周辺の開発について、僕はそんなことを考えています。



☆問題点はもちろんあります


とはいえ、すべてのことを手放しで喜べるわけではありません。
甲府駅南口の商店街の人通りの少なさとか、車がないと移動できない交通網の脆弱さとか、
いろいろな問題点はもちろんあることでしょう。

僕が演奏家として最も心にひっかかっていることは2点。

これまでさんざん褒めてきた山梨県立図書館のホールが
“多目的ホール”であり、純粋なコンサートホール「ではない」こと。
もうひとつは、多目的ホールにはピアノがないということです。

最初から演奏会利用に絞って開発された建築ではないので仕方ないのですが、
やはり純粋な演奏会目的でつくられたホールとは、響きなどは悪いです。
また各種シンポジウムや会議での利用が主として考えられているため、
アップライトどころか、当然グランドピアノの設置はありません。
それを承知の上で、演奏会の会場として借りるので仕方のないことですが、
それでもどこか残念だなと思う気持ちが拭えません。
もうすこし建設計画の時点で想像力があれば・・・・と。


実は今年2013年9月1日に、まさにこの会場で、リサイタルをすることが決まっています。
ピアノがないという障壁をクリアするために、レンタルのピアノを持ち込むことにしました。
これだけで解決する問題だといえばそれまでなのですが。



☆ぼくの夢


結局、こうして色々考えながらも、甲府を僕の活動軸のひとつにしようと思うのも、
山梨という風土や文化、そこに育まれるひととの繋がりを愛しているから、
という理由に尽きるのだと思います

バイエルの「バ」の字も知らなかった高校生が東京芸術大学に進学できたのも、
山梨で僕のことを導いてくれたたくさんの先生方、先輩、友人がいたからです。
その事実に感謝をしながら今も勉強を続けているわけですが、
同時に、そろそろ恩返しをしたいなという思いも強くなってきました。

ありがとうございます、という言葉ももちろん伝えていきますが、
いま僕が東京で感じているたくさんの刺激を、山梨にも持ち帰ることができたら
それも僕らしい恩返しの仕方になるのではないかな、なんて考えています。

今度の9月のリサイタルは、僕がいままで勉強し、いろんなことを感じながら生活してきた
ことの堆積をお見せしたいという思いがあります。
いまの僕はこんな姿です、というのを見ていただきたいと感じています。

そして、ひとつの決意表明でもあります。
僕はこれからこの場所で、僕に出来る活動をしていきます、ということの。
大学時代の友人の力を借りて、同じ会場、山梨県立図書館でコンサートを開こうと思っています。
この活動は一年を通して定期的におこなっていくつもりです。


甲府駅の北口を中心に、文化活動の渦を生み出す力のひとつになれたらいいなと思います。
いまは図書館の施設をお借りしたり、甲府市役所のロビーをお借りしたりして
活動をするのが僕に出来ることですが、
遠い未来になるでしょうが、甲府駅北口の何処かに
「純粋なコンサートホール」が誕生したらいいなー、と夢見ています。

そこには世界や日本のトップで活躍をする演奏家や、
カルチャーの最前線を牽引する若いアーティストが頻繁に集まり、
山梨の街を舞台にパフォーマンスをする。それを東京はじめ日本中から見に来る人が増える。
そんな未来が描けたらいいな、なんて、僕は考えているのです。


☆最後に、あなたへお願いがあります


最後までお読み下さいましてありがとうございました。
長い文章でしたのに・・・・。

ひとつだけお願いしたいことがあります。

上にも書いたように、僕は僕に出来るかたちで、甲府駅北口を中心とした地域にて
演奏活動やパフォーマーを招く活動をしていこうと考えています。

もし、身の回りに
「クラシックコンサートやアートについて興味がある友人」
「甲府の街でワクワクするようなことをしたいと考えている知人」
がいましたら、
僕のことを紹介していただきたいのです。
このブログの記事や、あるいは僕のリサイタルのことを紹介していただけませんか?

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僕のリサイタルの情報はこちら

よりそれぞれご覧頂けます。



山梨という土地には本当にたくさんの魅力と可能性が詰まっているなあ、と
東京に出てきてから改めて実感をしました。
人口が減っていって衰退していく一方、というのはあまりにも悲しすぎます。
僕の知り合いや友人にも、山梨という土地で
新しい活動をしている人が、本当にたくさんいます。
その大きな輪の中で、僕も何かが出来たらいいなと、つくづく感じています。

お読みいただいて、ありがとうございました。


yy


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