2014年10月22日水曜日

山梨でクラシックの演奏会をやることでイノベーションを起しちゃうぞ、という話







僕、クラシックの歌手ですが、
おおよそ歌手の領分とは言えないようなことにまで手を出していろいろやっています。
たとえばこのブログを書くことだってそう。
「口や文字でいろいろ言わずに、歌手なら歌で伝えろ!!!」みたいなこともたまに言われます。はい。

あと自主企画とか。
バリバリに上手くて利用価値のある歌手なら、
自主企画打たない状態で、外部からお仕事の発注とかありますからね。
でも僕は実力も認知度もまだまだな歌手なので、自分で歌う場を作るわけです。

あと人のサポートとか。
もう、裏方やりたいのか出方やりたいのか、どっちなんだよ!みたいなことたまに聞かれます。はい。
どっちもやりたいのです、すいません。




さてさて、上のようなこと。
僕は自分の生涯をかけて、すべてをやっていきたいなと考えているのです。
これは、大学生時代から思っていたことです。
もしかしたら、高校生の頃からうっすら考えていたかもしれません。



それもこれも、山梨で演奏をするための下地作り、と捉えています。







僕が目指すことは3つ。
この記事(僕は何のために生きていきたいのか考えてみた、という話)にも書きましたけど、


・山梨の文化活性化
・日本のクラシック音楽演奏家の収入モデルをよりよくする
・バス歌手として60代になっても最前線のオペラの舞台に立つ


上の二つは、僕だけの問題ではなくて、最後のひとつが一番大事な僕自身のこと。




僕は今、東京に住んでいますが、
演奏活動の多くは山梨での自主企画です。

なぜ山梨なのか。

もちろんそこには、東京ではまだ集客が出来るような基礎体力が無いといった
ネガティブな要因もありますが、それは置いておきましょう。



山梨は、狭くてちょうどいいのです。
逆に東京は広すぎる。演奏者層も厚すぎるし、聴衆の好みも多様性がありすぎる。
少なくとも僕にはそう感じられます。

山梨だとそれがなくていいです。
クラシックの演奏会を頻繁に聞くようなライフスタイルを選んでいる人は極々少なくて、
知り合いだからといって僕が自分の演奏会をお知らせしても、
「クラシックはよくわからないからー・・・」と敬遠されることもそれなりにあります。
それがいいのです。






山梨でクラシックの演奏会をやる、ということは
グローバリゼーションでありローカライゼーションである、と思っています。
一見相反する概念が同居できちゃいます。


まず、山梨は圧倒的に文化後進地域です。
演奏会の数や芸術系イベントの数はそれなりにあるかもしれませんが、
「展示会や演奏会にいったときどう振る舞ったらいいかわからない人」がめちゃめちゃ多いです。
作法を知らない人が多い。

本来なら、ちょっとこぎれいな格好して、パフォーマンスをリラックスして楽しめばいいだけ。
演奏会ならいいタイミングで拍手をするとか、その程度の振る舞いができればいいだけですが、
そういった場に参加する経験が少ない人がとても多くて
「なんか、静かに、厳かに、窮屈に見聞きしなきゃいけないんでしょ?」
みたいな認識があるようです。
実際、自分の演奏会なんかでも、ずいぶん緊張しながらお聞き頂いてるなー
と感じることがあります。


東京や世界の主要都市では頻繁に行われている演奏会。
つまりそういった都市がクラシック文化先進地域。
一方山梨のような「クラシックはお固くて…」というところはクラシック文化後進地域。
この垣根を取っ払って、先進地域と同じとまではいかなくとも、
少なくともクラシック音楽の演奏会のエッセンスを楽しめるぐらいに
山梨県人の文化経験度を底上げしたいというのが、
僕が山梨で演奏会をやるひとつの理由。
まさに、グローバリゼーション。
山梨を世界標準のレベルまで押し上げようという魂胆です。




また、せっかく山梨という狭くて経験値の浅い土地でやるのだから、
東京と同じスタイルでやるのは勿体ないという思いもあります。
山梨という街のしくみや県民性にあったプロダクトを考えていく必要があると思います。
だから、同じクラシック音楽を題材にしていても、
アウトプットとしての演奏会の形やプロモーションの方法は、
東京や世界都市のグローバルスタンダードとは少しずつ違ったものになります。
だから、ローカライゼーション。



そうして、もし山梨で、世界に先駆けたクラシック音楽市場の新しい形をみつけることができたら、
それはひとつの発明になると思うのです。
クラシック音楽という業界にとって、全く新しいシステム、広い意味でのテクノロジーになるでしょう。



グローバリゼーションでありながらローカライゼーションに繋げ、
そこで新しいテクノロジーを発見する。
そしてそれがイノベーションとして終結する。

これが僕の大きな目標。
クラシック音楽を通して、山梨という土地で見つけたいものです。




みたいなことを僕が勝手に言えば、誰かが実行してくれるというなら話は簡単なんですけど、
とりあえず今は僕自身も裏になり表になり、ディレクターとしてもパフォーマーとしても
活動しないと何も始まらない状況なので、いろいろな分野に手を出しています。



同時に、いろんな方のご協力もたくさんいただいています。
演奏者の仲間はもちろん、応援して下さる方、聞きにきて下さる方。
空間を提供してくれたり、新しい視野を提示してくれたりするメンター的な方。
山梨の未来を良くしようと各分野で活躍されている方々。
これからもいろんな方の影響を受けながら、ご協力を頂きながら、
僕の大切に思う目標に向けて、ひとつひとつアクションを起していこうとおもいます。





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