2012年12月31日月曜日

12/31 2012年まとめとお礼

こんばんは、山野靖博です。

日々は着々と過ぎていき
大晦日の今日となりました。
本日ぐらいはとっぷりと自らについてをしたため、
今年一年の振り返りをさせていただきたいと思います。

2012年の大きな出来事は2つの変化、でしょうか。
ひとつは、「留年」という形で大学に残ったこと。
もうひとつは、住処を変えたこと。

本来ならば4年間で終わる大学生活を
もう1年伸ばすと決めたのは、昨年の秋でした。
その結果、人生2回目の「5年生」として迎えた4月からの学校生活は
何ともいえない不思議な立ち位置でおくることが出来ました。
学生だけれど、どこか違う視点から学校を眺め、
4年生までとは全く異なる視野に於いて、
自らの生き方を俯瞰することが出来たように思います。

その結果、学生でありながら学校という枠を飛び出して、
数々の演奏企画に携わらせていただくこととなりました。
3月のコジファントゥッテ、佐々木洋平・廣橋英枝関連の諸コンサート、
9月の室内オペラ2本だて、10月には甲府にて「ちょっとく Vol.1」と
甲府西高110周年記念演奏会、11月は愛の妙薬。
たくさんの反省や失敗を通り抜けて今、自分の領分ということについて
昨年よりも少し落ち着いて見通しをつけることが出来るようになったと思います。
参加いただいた皆様、お力添えを下さいました方々、なにより
多くの方より頂きました応援なくして
今年の経験をさせていただくことは出来なかったと思っております。
改めてお礼申し上げます。


住処をかえる、というのは念願でもありました。
東京に自分の部屋を、と憧れたのは高校生の頃からでしょうか。
大学に入って4年と半分は寮で過ごしましたが、この生活は楽しかった。
良き仲間にも出会えましたし、たくさんのことも学びました。
ただ、卒業をしてしまえば新しい下宿を探さねばならないことはわかりきっていましたので、
卒業の春の忙しい時期でなく、早めにと、居を移したのが9月でしたか。
わずかずつ家具も増やし、なかなか気に入った生活をしています。
なにより嬉しいのは、“自分だけのキッチン!!!”
鰹節を掻き、総菜を作り置き、鍋で米を炊き、好きなグラスで好きなお酒を呑む。
それだけで僕は幸せであります。
生活をする、ということは、演奏をするということに繋がると
そういうことを肌に感じながら寝起きをしているこの頃です。



今年最後の日である今日は、映画を観にいきました。
これが素晴らしかった。

ジャン・レノ&ミカエル・ユーン主演、ダニエル・コーエン監督脚本

シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜
 
本当に面白かった。主演のふたりの抜群のコメディセンスを
フランス料理を主軸にした脚本が存分に引き出し、
文字通り、ニヤニヤし通し笑いっぱなしの90分でした。

とはいえ、単なる厨房ないでのドタバタ劇で終わらせないのは
現代の“星争奪レース“や、一種のエンターテイメントと化した
“分子ガストロノミー”へのアイロニーをさりげなく盛り込んでいるから。
あるいはパリの料理界が抱き込む料理人の階層の深さと人種の多様さ、
幸福を演出する料理とビジネスが同居するときに生まれる軋みなど
現実に於いて起きている現象を映画のなかでもしっかりと描いているから。

時代は変容していくものだけれど、クラシックなスタイルを大切にしながらも
変化を厭わずにいられるのであれば、
人類有史以来幾度も繰り返されてきた幸せの風景は
きっといつでも変わらずに生み出すことが出来るのでしょうね。



世間は相も変わらず混乱を極め、
年末にきてこの国の将来への展望は大きな転換を余儀なくされ、
昨日は昨今の日本音楽シーンについて服部克久先生がぼそりと苦言を呈し、
我が故郷山梨と東京とを結ぶ陸路は危険と不便をたっぷりと抱き込んでいます。
不安なことは多く、良からぬ思いが頭の中をめぐる瞬間もないわけではないですが、

たとえば街を歩くとか、
面白い映画に出会うとか、
美味しい料理を食べるとか、
いつもより少しだけ歌が上手くうたえたとか、
誰かに内緒でプレゼントを用意するとか、
靴が綺麗に磨けたとか、
今日はちょっと良い仕事ができたと思えるとか、
迷うことなく「好きだよ」と伝えられたとか、
そんなことの積み重ねだけで、随分と人生は楽しくなるものですね。

最近、一日の終わりを「今日もいい日だったんじゃない?」という言葉で
締めくくるようにしているのですが、
これは寮生活時代に仲間たちと思いついたフレーズで、
それから暫く忘れていたのだけど、11月くらいに
「そういえば、結構いいな、あれ」と気付いたのです。
口に出してみれば、どんなに散々だった日でも、
なんとなく胸のつかえがとれたような気持ちになるから不思議です。


いい日の積み重ねが1年を形作り、いい日の積み重ねが人生を編み上げていき
お世話になっているみなさまにもちょっとだけいい瞬間をお裾分けできる
そんな大人になれたらいいなと、今年を過ごしてまいりました。
このブログを読んでくださっている皆様にも、
そうでない皆様にも、今年一年のお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
来る年もどうぞよろしくお願い致します。

最後にこの言葉を

今年もいい年だったんじゃない?
この両手いっぱいの愛をあなたに

山野靖博

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