昨夜は東京二期会の魔笛にいってきました。
台風の予報のなか、大雨に当たらないかなーと心配しながらでしたが、
結果開演前も終演後も、風は強かったけど雨ではなかったのでよかったです。
帰路はびしょ濡れの水の試練か・・・?と思ってたのでラッキーでした。
公演はとっても素晴らしくて、これから見に行く予定のある方は
是非是非たのしみにしていただきたいし、
行く予定のない方もきっと見に行かれて後悔はない公演ですよ!とお伝えしたい。
テレビでの放送予定も立っているようなのでそちらをチェックされるのもいいかもしれません。
ところで前評判から驚いていたのは、
チケットが売り切れというアナウンスがあったこと。
じっさい会場に行ってみても、客席はほぼほぼ満席でした。
台風の予報が出ていた日なのに!
だいたいコンサートを企画するときって、当日が雨だったりすると
予想来場者数をはけてるチケットの何割減かに見積もるものです。
それがなんと満席ですから、素晴らしいことです。
二期会の本公演が満席になるというのは、あまりないことではないでしょうか。
昨日も会員の方とお話しさせていただきましたが、
いつもだったら7割埋まればOKの世界ということですから。
ひとえに話題性がこの状況を生んだように思います。
宮本亜門さんの演出、リンツでの上演で絶賛のプロダクション、
舞台効果にはプロジェクションマッピングが使用されている、などなど。
特に「海外で評判だった日本人演出家の作品」という点は
非常にキャッチーで素晴らしいセールスポイントだったのではないでしょうか。
じっさい客席を見回しても、「おそらく普段はオペラを見ない人だな」とか
「きっとこの方はオペラにきたのは初めてだろう」みたいなお客様が
多く見受けられました。
Twitter でのつぶやき検索でも(気になる公演のあとは結構やる。他の人の感想チェック。笑)
「はじめてだったけど楽しかった!」的なツイートが多く見つかりました。
普段オペラとの距離が近くない人たちを劇場に呼び込んだというこのプロダクションは
とっても価値のある公演だと思います。
演出や演奏を振り返ってみても、
これは初めてオペラを見る人でも「あー、おもしろかった!」と笑顔になって
会場をあとにできるような公演だったんじゃないかなと思います。
劇中のあちらこちらで笑い声や拍手もうまれてましたし。
コメディの要素も強く取り入れた狙いが、ちゃんと当たっている感じ。
本当に楽しかったし、学ぶことの多かった公演でした。
こういう公演を見ると、あらためてオペラとは
「大人の遊び」だなと思います。変な意味じゃなくてですよ?
子どもが見ても、歌の迫力とかオーケストラの音色、舞台装置のインパクトなど
たしかに楽しめる点はたくさんありますが、
それ以上にドラマトゥルギーや、歌詞の内容、演者の些細なリアクションや挙動を
お腹の底で可笑しめる、そんな楽しみ方は、やっぱり大人じゃないとできないかなあと。
ドタバタ喜劇的な場面も、愛や誠実さや勇気について語られている場面も、
ウィットやアイロニーが盛り込まれた場面も、どれも楽しめるのは、
大人の特権だと思います。
昨夜の劇場の風景は、クラシック音楽界の隅の隅に浮遊している僕からみても、
とても有意義で嬉しい風景でした。
若い人もたくさん聴きに来ていたし。
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