久々に大当たり、いい本を読みました。
「モテないあなたがモテるようになるためにはどうしたらいいか」
という「モテ方ハウトゥー本」のフォーマットを選びながらも、
実は自分とはなんなのか、を考えさせてくれる“理論書”でもあります。
その辺の自己啓発本からは一線を画している。
すべてはモテるためである / 二村ヒトシ著
身もふたもないタイトルですけど、ウサンクサく思われるかもしれませんけど、
本当にお勧めします。僕、このタイミングでこの本に出会えたことに、
おそらく人生を通して感謝するような気がします。
僕が本書に出会ったきっかけは、ある哲学者の本で紹介されていたからです。
國分功一郎さんというその若い哲学者に、僕は今注目しています。
その國分さんのQ&A形式の本、「哲学の先生と人生の話をしよう」において
参考書として「モテるため」が紹介されていました。
念のために言いますが、僕は、モテたいからこの本を手に取ったわけではありません。
「國分さんが紹介してて、そこから考察するにめっちゃ面白そうだった」から手に取ったのです。
けど同時に、「じゃあお前はモテたいとみじんも思わないのか」と聞かれれば
「そりゃモテたいに決まってる!」と答えます。
しかしそれは、モテたい=なんでもかんでも遊びたい、というのとは違うので。
本書に於いてモテたいという欲求はこのように、明確に、定義されます。
あなたや僕が、女性に「モテたい」と思うのは(あるいは「やりたい」と思うのは)どう考えても、ただ単に性欲のせいだけじゃ、ないですよね。きっと人間は、他人から「あなたは、そんなにキモチワルくないよ」って、保障してほしいんです。
正確には定義のかたちじゃないけど、ほぼそういうことです。
モテたい、というのは、他人から「あなたは、そんなにキモチワルくないよ」と保障してほしい、という欲求のことなのです。
これ、ほんと画期的な定義だと思います。
本の中ではその「モテたい」という気持ちや、「モテたい」と思っている僕らを
いくつかのカテゴリーに分類しています。どんな分類なのかは本を読んでください。
で、この本の中で重要なキーワードなのが「キモチワルい」
これがいったいどういうことを指しているのか、のところだけ引用してみます。
あなたが彼女にモテないのは、あなたが「彼女にとってキモチワルい人」だからである。では、なぜ「あなたが彼女にキモチワルがられるのか」というと、ひとつは「あなたが彼女に対して自意識過剰の状態におちいっている」」ため。もうひとつは「あなたが、あなたと彼女との関係について考えるべきことを、ちゃんと自分の頭で考えてないから」です。
整理します。
キモチワルいと人から思われる状態とはずばり
- 対象に対して自意識過剰の状態におちいっている
- 対象との関係について考えるべきことを自分の頭で考えていない
わかりやすい。
つまり、出来事を自分の中だけで考えてて、相手のことをちっとも見ないで
一人相撲をとっている状態が、「キモチワルい」という状態なのです。
どきっ!
うわー、心当たりあるわー。ありまくりだわー。
なにも、恋愛についてだけじゃありませんよ、この問題。
友人関係、仕事関係、飲み会の席、レストランでの振る舞い、ブログの文章
ありとあらゆる場面に対応する問題ですよ。
で、その問題の根源は全て、モテたい=誰かに(あなたに)キモチワルくないよと言ってほしい、
という欲求にあるのです。
キモチワルくないよと言ってほしいという欲求が、
多くの場面でその人をキモチワるくさせている=モテなくさせてるだなんて…
人生って、なんだか涙の味がするー。
またこの文庫版の巻末にある、國分功一郎と二村ヒトシの対談がいいんだ。
実にいい。因数分解のやり方は学校で教えてくれるけど、
恋の仕方、人生の歩み方なんて、だれも教えてくれないじゃないですか。
でもね、この本は教えてくれますよ。
僕が思うにこの本はこんな人におススメです。
- すべての男性(年齢を問わない)
- 仕事や学校で対人関係がうまくいかない人
- 自分のやりたいこと、夢がよくわからない人
- 俺はモテなくたっていいんだって開き直っている人
- 幸せそうな人を見ると「リア充タヒね!爆発しろ!」とか反射的にいっちゃう人
- なにかにつけて「私みたいな非リアは・・・」とかいっちゃう人
ほんと、ぜひ読んでください。まじで。
あと、僕もどうにかしてキモチワルくないような自分でいられるようにやってみます。
キモチワルいときにはどうぞ、お前いまキモチワルいぞーって注意してやってください。
0 件のコメント:
コメントを投稿