僕の部屋には本を置くスペースが限られていて、
だから以前から持っていた多くの本は実家に送ってあるのです。
今僕の手元にあるのはつまり少数精鋭で、
その半数に近いのが村上春樹の著書及び翻訳書。
彼の文章に対する評価は、大きく好き嫌いに分かれるような印象がありますが、
僕にはとても心地がいいです。
村上春樹の才能の中で僕が最も惹かれるもののひとつは、
ある種ごく日常的な語句をしかるべき順番に“並べる”ことで
我々を別の次元へと連れて行く事ができる、というものです。
4月12日の新刊発売をとても心待ちにしています。
さて、今日から新年度が始まりました。
多くの若者が共に就活を戦い抜いたリクルートスーツを身に纏い入社式に出席し、
あるいは新しい学年や新しい学校に身を置くための身体測定や成績開示などの
儀式を済ませたことでしょう。
そういう僕はというと、僕なりの今年度の目標を立てました。
質素倹約
僕は今年、どの学校にも属さず、留学をするわけでもなく、就職はもちろん
特に決まったポストや肩書きはないままに、歌の勉強をしていこうと思っています。
世の認識に従えば、フリーターということになります。
僕の友人たちが社会人生活2年目、ないし4〜6年目を迎える頃、
僕は相変わらずに自分の夢を実現するために
学生というコミュニティから抜けてもなお、進学を目指し
歌を生活の中心に据えて生きていくことを選びました。
すべからく働いている人々を、僕は本当に心から尊敬しています。
今年こうして勉強を続けられるのも、
僕の生活の、文字通り大半についてを支援してくれている家族のお陰です。
毎朝目が覚めて白い天井が目に入り、自分の部屋を見回すたびに
彼らに感謝をしています。
何か果たしたい志があり、けれどそれでは食べられないからとりあえず働いている。
家賃のための仕事。To jobs that pay the rent.
そういう人は、僕の周りにたくさんいます。
けれど、世間的にはマイノリティなのかなとも感じています。
職があるというのはまさしく幸福で、そこに従事することで生じる
不満やストレスはあるにしてもみんなそれぞれに息を抜きながら
一所懸命に働いている。本当にすごいことだと思います。
To jobs that pay the rent.
ラ・ボエームの世界のようでありますね。
まずは、自立して自分の食い扶持と家賃を工面できるような見通しを
今年のうちに立てられたらいいなと思っています。
そして、これは僕ひとりのぶちあたる壁ではなく、
音楽家としての人生を選んだ僕の近しい人たちの多くが直面している現実です。
あるいは、日本に生きる全ての人にとっての切実な問題なのかもしれません。
幸運にも僕は料理が好きなので、やろうと思えば
必要な栄養素は十分に補給しながらも、かなり食費を抑えることができます。
基本的にインドア派なので、活字とギターと音楽があれば毎日を楽しく生きられます。
映画も本も気に入ったものを何度も見直すことが好きなので、
溢れる新作への渇望に身を焦がすこともほとんどありません。
やろうと思えばかなり上手に質素倹約をすることができます。
幸いにも、生活に必要な道具や衣裳などの初期投資は昨年度のうちに済んでいますから。
ここから先は、本当の勝負です。
僕が僕の声と身ひとつで、何者に成れるのかという挑戦です。
ワクワクしていますし、不安でもあります。
今年一年を通して少しでも賢くなろうと思います。
よりタフな山野さんであれるようにとも思います。
そして、今まで以上に僕の持ち得る愛をみなさまに手渡せたらと思っています。
ともあれ、一番強く願っているのは
今年一年も僕自身が健康に生活でき、僕の大切なみなさんも同じく健康で
たくさんの涙とたくさんの苦悩と同様に、たくさんの笑顔で毎日が彩られ、
季節の移り変わりの美しさや命の尊さを素直に感じ取れるような心を持ちつづけられますように、ということ。
本年度も張り切っていきましょう!
愛を込めて。
yy
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