大変ご無沙汰をしております。
なぜこんなに更新の間が空いたのか・・・
その言い訳と報告を兼ねまして11月の最終日にブログ更新です。
前回の記事が11/13ですから実に半月。
正直申しましてブログを書いている余裕がなかったのであります。
それはなぜか。
カレンダーを振り返ってみますと、11/15からオペラの集中稽古が始まりました。
本日終演を迎えましたこのオペラの取り組みのてんやわんやで
こんなにご無沙汰をすることになってしまいました。
山梨県の高校より「芸術鑑賞会の時間にオペラを上演できないか」という
ご相談を頂いて始動した本プロジェクト。
指揮者に佐藤宏充先生、演出家に三輪えり花さんという
素晴らしいお二人を迎えることが出来たのが最大の幸福でした。
選んだ演目は「愛の妙薬」
本番のキャストは以下。
アディーナ 廣橋英枝
ネモリーノ 山本耕平
ベルコーレ 加耒徹
ドゥルカマーラ 山野靖博
ジャンネッタ 中須美喜
合唱はコンパクトに女性4名(五十音順、敬称略)
田村阿由実
牧田潤子
前澤歌穂
中山茉莉
演出のアイディアで、合唱がないぶん村人として
10名の俳優さんにご協力いただきました。(五十音順、敬称略)
香乃
高山佳音里
清水由紀子
西村長子
三石美咲
池側生也
小泉武也
田中久也
宮島岳史
吉澤恒多
そして稽古期間、本番とオーケストラの役割を担ってくれた2人。
ピアニスト
佐々木光
斎藤誠二
出演者だけでは舞台は回りません。素晴らしいスタッフとして。
舞台監督 岸本伸子
制作補佐 田中千尋
藤山咲
もう一度大将のおふたりをご紹介させてください。
指揮 佐藤宏充
演出・台本 三輪えり花
細々した感想や稽古のレポートは写真と一緒に明日以降更新致します。
まずは皆様へのご報告とお礼をさせてください。
出演者の皆様、またスタッフとして関わっていただきました皆様、
応援していただきました皆様、また学校関係者の皆々様、
この場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。
本当に心の底から感謝をしております。
全く以て、どのセクションが、どの歯車が、どのタイミングが抜け落ちても
本日の無事の終演を迎えることはできませんでした。
題材が「愛の妙薬」ということ、僕ら歌手にとっては
“馴染みの、よく知ったオペラ”でありました。
しかしそれを“オペラなんて見たこともないしその存在を空想したこともない”高校生に
聞かせるという試み。ここから全てが始まりました。
どんな形で上演をしようかと長く考えた結果、
佐藤先生とえり花さんのアイディアにより「日伊混合上演」という形態となりました。
これが面白かった。
基本的には日本語で歌いますが、繰り返しのフレーズはイタリア語に。
簡単なイタリア語は生徒に対して事前の紹介をしてイタリア語のまま。
たとえば "Si" "No" "Perchè" "Capisco" "Domani" "Quest'oggi" なんか。
日本語だからストーリがわかる!という体験と
このイタリア語さっきやったからなんとなくわかる!という体験の2本立て。
なにより演出の妙。
多く「オペラ好きの歌い手」は数多くの先行演奏を見聞きしている分、
“あの場面ではこういう風に動いておけばなんとかなる”とか
“あそこはだいたいこんなような感じだったよねー”という方法で
オペラの音楽やスクリプトを理解してしまいがちになります。僕がそうだった。
これを打ち壊してくれたのが、三輪えり花さんという素晴らしい方。
毎回の稽古が、ひとつの指示が、えり花さん自身の立ち居振る舞いが、
“その瞬間で起こるドラマが持つ魅力”と“舞台の外にある多くのドラマの存在”を
教えてくれました。
知っていると“思っている”作品を、一度全く知らない作品にするための努力。
今回のプロダクションに於ける僕にとってのもっとも大きな収穫のひとつがこれでした。
そしてそんな試行錯誤を厳しくも大らかに見守り、ご指導してくださった佐藤先生。
佐藤先生が目の前にいてくれる安心感がどれほどか、言葉にできないぐらいです。
もちろんピアニストの2人への感謝もたくさんです。
僕ら歌い手は、伴奏してくれる器楽奏者がいなければ存在できないに等しいですから。
なにより面白い要素だった、合唱を含む俳優のみなさんの村人。
ただの脇役でない、ただの背景でない。
その場面にドラマを、動きを、呼吸を与えてくれた皆様。
ステージの上での演技というものが、どれほど緻密な心配りで作られているのか、
どれほど練り上げられた準備で裏付けられているのか、
さらにどれほど“その瞬間”に敏感な集中力によって選び出されていくのかを
間近にて見させていただきました。これは本当に大きな勉強になりました。
その他大勢がイコールその他大勢じゃないという状況、これが初めての体験でした。
演技へのアンテナの重要性をひしと感じた半月でした。
本番を過ごす舞台上から、息をのんで僕らに注がれる高校生たちの視線を
あたたかな波のように感じることが出来ました。
きっと楽しんでくれているのだろうと思いながら終幕を迎えれば、
案の定全キャストによる見送り時には、
高校生と出演者が写真を撮る姿や、感想を伝え合う姿、笑顔、握手の渦で
ロビーがいっぱいとなっていました。
まずひとつ、この山梨で本日のようなオペラが上演できたこと
そして、それを800人の高校生にみせる事ができたこと
なにより、その機会を与えてくれた甲府城西高校様に
深く感謝しております。
僕自身の反省はもちろんたくさん有りますし、課題は山ほど有りますが
これは決してネガティブなことでなく
大好きな歌と寄り添って僕がこれからも進んでいくための糧であります。
それを与えてくれた今日までの時間に感激をしています。
最後に。
本番1週間前に急遽依頼をして参加を頂いた山本耕平先輩より頂いた言葉です。
“僕らみたいに自分で企画をして自分も歌う人は、
「企画をしているから無条件で舞台にのれる」という状況にならないように
より自分を追い込んでいかなきゃならないんだ”
シンと胸に落ちました。
改めまして、関係者の皆様、応援いただきました方々、
本当にありがとうございました。
山野靖博、また明日より、精進をしてまいります。
yy
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